文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

書店が地域に1店舗もないとは

2017年8月24日

町から書店が消えた!


朝日新聞の記事に、書店が地域に1店舗もない自治体が増えているという記事がありました。
https://goo.gl/ASRjDY
書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている。出版取り次ぎ大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める。
つまり、自治体5つに1つは、書店が1つもないということ。これは大変なことです。

 

0になってはいけない


私は子どもたちの為にも町の本屋は存在すべきだと考えます。また、将来、何かがきっかけになって、活字ブームだの、紙の本復活だのになった時、0になってしまっていては、どうにもならないと感じます。1を2や3にすることは簡単ですが、0から1を作ること、特にもともとあったものが0になった地域で、新たな1に踏み出すには多くのエネルギーと資金を必要とすると感じます。

 

子どもたちの為に書店を守りたい


書籍のIT化の恩恵は私も十二分に授かっています。興味のある本は、ポチッとすれば翌日には届きます。リアル書店と違い、品切れはほとんどありません。
kindle本はiPhoneで読み上げてもらっています。おかげで、読書量は随分増え、2日で3冊のペースで読破している状態です。
しかし 自治体5つに1つは、書店が1つもないとは、何と言うことでしょう。
私のような人間が増えたので、町の書店が減っているのでしょうか。
私のような大人ではなく、将来の日本を背負って立つ子どもたちにどんな影響があるのでしょう

 

ネット書店が便利になり、子どもが本屋から消えた?


たしかに、一昔前までリアル書店でしてきたことは、全てネット書店でできます。送料がかからない、早く届く、電子書籍だと読み上げてももらえます。
見知らぬ本とも出会えますし、試し読みもできます。同じ著者の他の作品や、関連本なども一気に調べられます。これは相当便利です。
雑誌はコンビニが便利になりました。何かを買いに行ったついでに、チラッと立ち読みして、気に入ったら購入できます。
また、実際に町の書店が使えないという感覚もあります。小さい店舗では、経営上の理由からか、雑誌がメインで、新聞やテレビで話題になった本や、流行の芸能人の本しか店頭にないような書店も多いです。文房具売り場が併設され、いつの間にかそちらがメインになった書店もあります。また、経営者の高齢化も問題になっているようです。
そのようにリアル書店が衰退化し、ネット書店が便利になった分、私たち大人は、どんどんリアル書店から離れるようになりました。大人はいいのですが、子どもたちにはどんな影響が出ているでしょうか。私は本が好きなので、リアルの本屋にもよく行きます。しかし、確実にリアル本屋に行く回数は減りました。待ち合わせの時間つぶしに寄ったり、町に出たついでにちょっと寄るくらいです。その時に感じるのですが、子どもの数が減っているのです。

職業柄、書店では必ず児童書のコーナーに立ち寄るのですが、先日などは、夏休みなのに、子どもが少ないと感じました。以前はもう少しガヤガヤしていて、むしろ「もう少し静かにできないのかしら」とか「あらあら、そんなに乱暴に扱ったら本が破けてしまうわよ」とか「夢中になって自分が変な格好で読んでいるのに気がつかないのね。かわいい!」とか色々思ったものです。それが、大きな書店でも子どもたちが各ブースに一人二人ぐらいしかいないのです。そう、親が連れて来なくなったのですね。親子連れが多いのは、受験コーナーばかりです。
ネット書店の充実の理由、それらはまさにリアル書店減少傾向の理由です。しかし子どもたちの為に、行政や自治体、町内会でも良い、何とか食い止める義務があると私は考えます。

 

子どもは本来、本が好きである。


未知のものと出会える本、夢の世界に連れていってくれる本、知りたいことが全部載っている本、子どもは本来、本が好きなものです。
本屋に来ている子どもたちの様子を見れば分かります。本が傷むのでは?と心配するぐらい、むしゃぶりつくように読んでいる子もいます。色々なジャンルの本が、「どうぞどうぞ」と手を広げて待ちかまえるあの空気が、本屋の素晴らしさだと感じます。そして本屋には、そういう子どもたちの将来を支える使命があると私は考えます。
以前、こんな記事を書きました。
「本屋を見ればその町の教育水準が見える」
https://goo.gl/HxdUzM

この記事で、本屋の発展は、そこに住む大人の使命と書きました。本は人の知識の元、文化の元です。ですから、それを売る本屋は、その町に住む人の知識の元、文化の元を作っているといっても過言ではないでしょう。また、その町に住む私たち大人も書店をより良いものに変えていく義務があります。確かに、チェーン店では「もっとこういう本を置いてほしい」「関連本を少し多くしてほしい」などの要望は通りにくいかもしれませんが、言ってみるのは悪いことではない気がします。
何かがきっかけとなり、活字文化が見直され、書店が必要となった時に、0だとリスタートがきついでしょう。経営難の書店は、声を上げて、行政や、町の有識者たちに助けてもらっても良いと思います。そして、その町に住む子どもたちのためにも、最後の1店舗を守っていきたいものです。

 

 

 
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