文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

子どもに言った言葉は、自分が年を取ったときに返ってくる

2019年10月7日
もしあなたが、調子が悪かったり、他のことで叱られたあとでしょげたりしている時に、苦手なことや、気乗りしないことに「早くしなさい!」なんて言われて、相手の理想を上回る速さでなんて動けますか? 私は無理ですね。

「早くしなさい」の原因はどこか


みなさんはどんな時に「早くしなさい」って言いますか? たいていは自分が急ぎたい時で、一緒に行く相手が準備できていない場合に使いますよね。でもそれ、本当に待ってあげられないものなのでしょうか。というか、そもそもなんでそんな状態になっているのでしょう。

これ、冷静になって、客観的に分析すると、ほとんど、お子さんではなく、ご自身の時間管理の問題だと思うんですよね。で、八つ当たり気味に遅くなってしまったことを責める。そんな構図ではありませんか? 「早くしないと園バスに間に合わない」だとしたら5分ではなく10分、15分早めにゴール設定を変え、そのために工夫をする必要があります。また、きちんと間に合った時は、「早くなさい」と言った10倍ぐらいほめないと、何が成功パターンなのか子どもに伝わるわけがありません。「できて当たり前。遅ければしかる」そんな世にも厳しいルールを敷いていませんか?

 

子どもに言った言葉は、自分が年を取ったときに返ってくる


先日、喫茶店で年老いた母親に対し、ずっと文句を言っているおばさんがいました。おそらく、80代と60代の親子。いろいろ事情はあるのでしょうが、おばさんは、喫茶店まで来て、ずっと親のことを叱り続けていました。店を出る際、一生懸命したくをする母親、でももたついてしまう母親に対し「なんでそんなに遅いの」「いつもそう」「早くしてよ!」と急かし、ついには怒ったまま先に出て行ってしまいました。

私は妹の言葉を思い出しました。私の妹は幼稚園の主任をやめたあと、今は学校で福祉関係の仕事をしています。私の息子がまだ小さいころ、けっこう厳しく育てているのを見てこうアドバイスをくれました。

「お姉ちゃん、お姉ちゃんの言った言葉、老後に全部返ってくるよ」

子どもはまだ身の回りのことが十分にできません。動作も遅いです。先回りして物事を考えることができません。物をこぼしたり落としたり忘れたりします。それは、年を取った人も同じですよね。その時に言われたいことを言ってあげるといい、されたいことをしてあげるといい、そういうアドバイスでした。

年老いて歩みが遅くなった時に「早くしなよ!」と息子に急かされたいか、それとも優しく待っていてほしいか。

因果応報、本当にそうなるかどうかは知りませんが、子育てには良い視点転換ですよね。

そうして急かすのをやめてみると、彼なりに自分の手順で物事を進めていることが見えてきました。ただその一つ一つが大人のように失敗なくできないだけ。そして例えば「靴の左右を確認してから履く」というような手順は、左右を間違えて履いた時に私がそういうところを注意しなさいと叱った結果だと見えてきました。こだわりのある子は自立心がある。そんな話も思い出し、それ以降、急かさなくなりました。

妹の助言は厳しめですが、さすがプロ。私の心を入れ替えることができました。みなさんも、一度、なんでこんなに急かしているんだろう。自分が言われたらどうだろうと考えてみてはどうでしょう。「まだ、間に合わなくても大丈夫。」そんなふうに気持ちを転換できると、気が楽になりますよ。そして親が気が楽になると子どもは勝手に自立します。

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