子どもが「分からない」と表現する原因
2024年1月29日
子どもが「分からない」と表現する原因
私が指導する小学生の作文コースでは、小学5年生の後半から、社会問題について意見文を書かせる。
小5 貿易、交通の問題、裁判員制度、安全保障の問題など。
小6 エネルギー、食料、災害、自然破壊、選挙、税金、国際紛争の問題など。
毎年のことだが、初めての意見文に対し、子どもたちはたいてい「分からない」という感想をもらす。子どもが「分からない」と表現する時の原因を分類、私が普段取っている対策を書いてみよう。大人にも使えるかも。
子どもが「分からない」と表現する原因
目次
子どもが「分からない」と表現する原因
1 今まで考えたことがない
2 意見はあるが、文字にしたことがない
3 意見を出す前に、問題に対する知識がない
4 意見を出すことが、自分には無理なような気がする
5 難しそうな内容で、びびっている
6 正解があると思っている
1 今まで考えたことがない
社会問題に対して、興味がない。考えたこともない。そんなタイプ。テレビや新聞を見ない。家族間でそのことに関する話題がないなどが原因。
小さいことでもいいので「どうしたらいいと思う?」と聞いてみて。たいてい「別に」「どうでもいい」なんて言葉が返ってきて愕然とするかも。意見を考えるという作業を、今までやってこなかったのだから仕方がない。まずはそういうものに触れる環境を整える。
2 意見はあるが、文字にしたことがない
そういうことを文章にする機会がなかった、あるいは学校で作文を書く際「来年もがんばります」「これから気を付けます」のように、どう対応するのかさっぱり分からない、中身のない文章でも教師がOKしてきたパターン。まずは、自分の頭でしっかり考えて、短くてもいいので文字化すること。親は出てきた意見を絶対に否定しないこと。この繰り返し。
3 意見を出す前に、問題に対する知識がない
1と違い、知ってはいるけど、それ以上どうにもできないパターン。親や友だちはどう考えているか、社会一般的にはどう対策が取られているか、ある程度知っていると、自分の意見も出しやすい。子ども新聞、社説、子ども向けの時事ニュースの本などを読んでみるといいかも。池上先生等の解説番組の視聴でもOK(司会者の意見の偏りに注意。むしろひな壇にいるタレントさんの意見の方がいいw)
4 意見を出すことが、自分には無理なような気がする
原因が根深い。何か意見を言うと、親に否定されてきた子に多い。また、否定とまではいかずとも、親が自分の意見を自信たっぷりに述べ、子どもが「もう、それでいい」というパターンも。高学歴の親の子に多い。そりゃ30年程度も長く生きてきたら、大人だから、意見ぐらい言えるよね。それを子どもの前でひけらかさないこと。子どもが子どもっぽい意見を言うのは当然なので、小ばかにしないで。むしろ、意外とシンプルで素朴で素晴らしい意見の場合も多いはず。親が謙虚になるべし。
5 難しそうな内容で、びびっている
中学受験対策では、小5の後半あたりから時事問題を解かせることも多いし、実際、精神的にも「世界」に目が向けられると考えられているが、実際はまだまだ子どもで、彼らを取り巻く環境もせいぜい「地域」どまり。自分が参加することで社会が変わるなんて、微塵にも思っていないはず。
でも、自分と社会が繋がっていることを意識するのに、時事問題に触れることは良い機会。SDGsなども学校の教材になっているので、まずは「小学生でもできることがある」ということを知ること。ごみ出しはもちろん、募金活動、地域での清掃ボランティアに参加してみよう。自分が少しでも参加したことがある分野は、だんだんと「難しそうだなあ」という垣根が低くなっていく。関わったことがあるのは、強み。
6 正解があると思っている
大人にも同じ症状の人がいる。大人の文章指導でも「先生、これで合っていますか?」と聞かれることもある。意見なので正解なんてないということが分かっていない。学校教育と学習塾と家庭教育の弊害。正答に最短距離で最速で到達することが良いと思っている親だとこういう子が多い。特に、高学歴親の子に多い。
この学校でいいか。
このクラブでいいか。
この勉強方法でいいか。
全部正解があると思っている。自分で失敗をし、痛い思いをしながら探求していくものだということが分かっていないのかもしれない。
皆さんご存知の通り、大人の性格は直らない。子どもへの教育方法も、今さら変更できないことが多い。
なので、私のような第三の大人に「キミの意見、面白いね。もっと聞かせてほしいな」と言ってもらう機会を作ることが急務。
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私が指導する小学生の作文コースでは、小学5年生の後半から、社会問題について意見文を書かせる。
小5 貿易、交通の問題、裁判員制度、安全保障の問題など。
小6 エネルギー、食料、災害、自然破壊、選挙、税金、国際紛争の問題など。
毎年のことだが、初めての意見文に対し、子どもたちはたいてい「分からない」という感想をもらす。子どもが「分からない」と表現する時の原因を分類、私が普段取っている対策を書いてみよう。大人にも使えるかも。
子どもが「分からない」と表現する原因
目次
子どもが「分からない」と表現する原因
1 今まで考えたことがない
2 意見はあるが、文字にしたことがない
3 意見を出す前に、問題に対する知識がない
4 意見を出すことが、自分には無理なような気がする
5 難しそうな内容で、びびっている
6 正解があると思っている
1 今まで考えたことがない
社会問題に対して、興味がない。考えたこともない。そんなタイプ。テレビや新聞を見ない。家族間でそのことに関する話題がないなどが原因。
小さいことでもいいので「どうしたらいいと思う?」と聞いてみて。たいてい「別に」「どうでもいい」なんて言葉が返ってきて愕然とするかも。意見を考えるという作業を、今までやってこなかったのだから仕方がない。まずはそういうものに触れる環境を整える。
2 意見はあるが、文字にしたことがない
そういうことを文章にする機会がなかった、あるいは学校で作文を書く際「来年もがんばります」「これから気を付けます」のように、どう対応するのかさっぱり分からない、中身のない文章でも教師がOKしてきたパターン。まずは、自分の頭でしっかり考えて、短くてもいいので文字化すること。親は出てきた意見を絶対に否定しないこと。この繰り返し。
3 意見を出す前に、問題に対する知識がない
1と違い、知ってはいるけど、それ以上どうにもできないパターン。親や友だちはどう考えているか、社会一般的にはどう対策が取られているか、ある程度知っていると、自分の意見も出しやすい。子ども新聞、社説、子ども向けの時事ニュースの本などを読んでみるといいかも。池上先生等の解説番組の視聴でもOK(司会者の意見の偏りに注意。むしろひな壇にいるタレントさんの意見の方がいいw)
4 意見を出すことが、自分には無理なような気がする
原因が根深い。何か意見を言うと、親に否定されてきた子に多い。また、否定とまではいかずとも、親が自分の意見を自信たっぷりに述べ、子どもが「もう、それでいい」というパターンも。高学歴の親の子に多い。そりゃ30年程度も長く生きてきたら、大人だから、意見ぐらい言えるよね。それを子どもの前でひけらかさないこと。子どもが子どもっぽい意見を言うのは当然なので、小ばかにしないで。むしろ、意外とシンプルで素朴で素晴らしい意見の場合も多いはず。親が謙虚になるべし。
5 難しそうな内容で、びびっている
中学受験対策では、小5の後半あたりから時事問題を解かせることも多いし、実際、精神的にも「世界」に目が向けられると考えられているが、実際はまだまだ子どもで、彼らを取り巻く環境もせいぜい「地域」どまり。自分が参加することで社会が変わるなんて、微塵にも思っていないはず。
でも、自分と社会が繋がっていることを意識するのに、時事問題に触れることは良い機会。SDGsなども学校の教材になっているので、まずは「小学生でもできることがある」ということを知ること。ごみ出しはもちろん、募金活動、地域での清掃ボランティアに参加してみよう。自分が少しでも参加したことがある分野は、だんだんと「難しそうだなあ」という垣根が低くなっていく。関わったことがあるのは、強み。
6 正解があると思っている
大人にも同じ症状の人がいる。大人の文章指導でも「先生、これで合っていますか?」と聞かれることもある。意見なので正解なんてないということが分かっていない。学校教育と学習塾と家庭教育の弊害。正答に最短距離で最速で到達することが良いと思っている親だとこういう子が多い。特に、高学歴親の子に多い。
この学校でいいか。
このクラブでいいか。
この勉強方法でいいか。
全部正解があると思っている。自分で失敗をし、痛い思いをしながら探求していくものだということが分かっていないのかもしれない。
皆さんご存知の通り、大人の性格は直らない。子どもへの教育方法も、今さら変更できないことが多い。
なので、私のような第三の大人に「キミの意見、面白いね。もっと聞かせてほしいな」と言ってもらう機会を作ることが急務。