文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

段落を制すれば文章はグッと良くなる~紙芝居に例える~

2023年8月24日
私は、小学生、中学生、高校生、そして大人まで文章の指導をしていますが、段落に関しては、全ての年齢において、ものすごくテキトーに扱われています。

どこで分けたらいいか分からない
10行ごとぐらいに分けるくらいが適切ですか?
はじめ、なか、おわり、の考え方だと「なか」がものすごく長くなりますが……。

生徒からは、そんな質問や疑問が寄せられます。

でもこのような疑問が発生すること自体が間違っています。
なぜかというと、段落というものは、書き出す前に内容や数を決めます。
いくつの段落で書くのか、何をそこに書くのかは、最初に決めるべきことなのです。

そこで、生徒には、分かりやすい例えでその方法を伝えています。
それは、この話を紙芝居で書こうと思った時、どこでページをめくるかということ。

わかりやすいように桃太郎の例で考えてみますね。

1 桃が流れてくるシーン
2 桃を切ると、中から桃太郎が出てくるシーン
3 すくすくと大きく育って、お殿様から鬼退治を頼まれるシーン
4 きび団子を携え、犬、猿、キジをお供にするシーン
5 鬼が島に着いて、鬼を退治するシーン
6 盗まれた宝を村に持ち帰って、めでたしめでたしのシーン

もちろん、演出によって、この枚数は変わると思います。
でも、例えば「私はこの6枚で紙芝居を作る」と決めたなら、段落は全部で6つです。
この6つのシーンで書こうと思って書き出すので、段落は必ず6つです。

ところが、桃太郎を書いてみてと言われて、はじめの川での洗濯のシーンからつらつら書くと、
どこで分けたらいいかわからない!というような状態になってしまうというわけです。
そんな状態の文章って、読みにくいし、変なとこで区切ってあって、そこで思考が止まってしまいます。
つまり、ベストの状態ではないということです。

まず、いくつの段落で書くのか決めてから書き出すといいでしょう。
これは、メールの文も同じ。Webライターの文章も同じ。もちろん読書感想文もそうです。
レポート類も、そうみんなそうです。

そもそも文章を書くときには、ある結論があって、それを伝えるために書くわけですが、
その結論を伝えるために必要な材料をまず揃えますよね。
料理と同じです。材料をそろえるわけです。

例えば理由だとか、具体例だとか、予想される反論だとか、裏付けの資料だとか。
そういったものを書く時に、最適な順番というものがあります。
その順番を考える時に「まずこれを書くでしょう?それから理由を書くでしょう?それから具体例をあげるでしょう?」というように計画を立てます。
その時の結論、理由、具体例……というひとかたまりが「段落」になるのです。

だから、書いた後にどこで分けたらいいかわからないという状態には、絶対になりません。
分類したものを順番に並べるのであって、後で分けるものではないからです。

何行か適切か?ということについては、ある程度の目安はあります。
けれど、段落の内容によって1行で済む時もあれば、十行以上に渡って書かなければならない時もあります。
「はじめ」「なか」「おわり」という作文の書き方を習った子供たちの文章は「なか」の部分がめちゃくちゃ長いことになるのは当然ですね。
けれども、それでも「なか」に何をどの順で書くかということを考えて、それを立てた計画通りに書いていくわけだから、段落というのはそこで分かれているはずです。

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