文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

余白のメモで文章が変わる『メモで未来を変える技術』感想1

2017年4月25日

アウトプットの整理に追われる毎日。そこで『メモで未来を変える技術』に出会いました。様々な気づきがありましたが今日は「ああ、これで良かったのか」と安心した「一本線ノート術」について。

 

講師の作戦が詰まったレジュメの形式

人によってセミナー時のレジュメの形式が違いますが、ある程度セミナー内容が書いてあるレジュメってありますよね。私もそうです。
なぜなのか? そう、講義中にメモに明け暮れて欲しくないからなんです。

受講生の中には、一言一句書き漏らすまいと、まるで速記の記録者のようにペンを走らせている人がいます。後日その人達のブログなどを見てみると、私の講義がまるでその場にいるかのように書かれています。
あ、臨場感とは意味が違いますよ。時系列にそって私が話したことが順番に書かれているだけです。全部。欠席者にしてみたら宝物のようなブログです(笑)

私はまだゆるいですが、厳しい人だと、これ著作権にひっかからないかな?とさえ思えるような細かさです。
以前、音楽のライブレポートで、同じようなことを言われている人がいました。1曲目から何をどのように演奏しているのかを詳しく書いているのです。アーティストにとって、曲目、セットリストは、そのものがライブやコンサートの一部です。最近はセットリストを公開するアーティストもいますが、中にはセットリストを重要視し、ライブ中に、こう言うアーティストもいます。
「このセットリストは、ライブに来た人だけのお楽しみ。SNSには流さないでほしい。そして明日は違うセットリストでするよ!」

確かに、セットリストがわかれば、iTunesなどで疑似セットリストができ、「当日はこの順番で演奏したんだ」と想像を膨らませることができますよね。その気持ちはよく分かります。私も地方出身者なので、行くことができない東京のライブのセットリストを作り、当時はカセットテープですが、何度も聴いたものです。では、その人は実際にライブを味わった人と何が違うでしょうか?その差を少しでも埋めるのがライブレポートだと思うのです。

上手なライターさんはレポートに余白があります。曲目を順番に伝えることよりも、アーティストがどのような表情だったか、普段と何が違うのか、それに対し会場の反応はどうだったかが書いてあります。そして大きな余白。その余白を使い、行った人はそのシーンを反芻し、行けなかった人はそのシーンを妄想する。レポートが上手なライターさんは、そのさじ加減が絶妙なのです。

講義の場合も同じです。びっしり書いたレポートは確かに圧巻です。でも私は講師としてがっかりします。それは、私が基本的に文章について講義しているからです。「こんなふうに書けと受け取ったのか」と自分の伝える力のなさにがっかりします。

 

「100学んだうち、1を選ぶ。その1を100にして書く」

これが私が伝えたい文章術です。子どもの読書感想文もそのように指導しています。大人も同じです。
読んだ本で心が動いた箇所は何カ所もある。そこから一つを選び、それを文章に展開する。
日常生活で心が動いた箇所は何カ所もある。そこから一つを選び、それを文章に展開する。

ところが、講義中に必死にメモを取っていた人のブログは
100学んだうち、100を選ぶ。その100をそのまま書く
という状態なのです。
その人が私の講義から何に一番ビビッときたのかが読み取れないのです。そして、とってつけたように「また機会があったら参加したいです」とあります。しかし、これは私にも責任があります。そういつも私が言っているように、言葉が伝わらないときは、発信者にまず原因があるのです。そこで昔、私が工夫したのが、レジュメに線を引くことでした。

私の講座のレジュメはこのような形をしていました。

 

 

左側には、私の講義内容の要約文が書いてあります。要約なので、ほぼ、付け足して書くことはないはずですが、例を挙げたり、補足をしたりすることがあるので、それを書き留めるとちょうど良いであろう幅にしてあります。この部分に書くことはどの人もたいてい同じ言葉です。そして、この左側の部分をまとめるだけの感想文や感想ブログが多いかと思います。

さて、特徴的なのが右側です。まるで付箋紙のように薄い色の部分があります。ここは、自分が「お!」と感じたことをメモする場所です。ですから、この部分に書くことは、その人だけのことです。私の発言が「自分事」になった時に「はっ!」としてメモを取る場合が多いですね。また、そこから着想してどんどん違う方向にアイディアが爆発する時もあります。どんどん私の講義内容からずれてしまうこともあるでしょう。でもそれはそれで良いと思います。潜在意識からの声を無視してはいけません。なぜならそれこそが書くべきことだからです。そして、この右側の部分をまとめると、その人だけの感想文や感想ブログができあがるのです。
読書の場合は、この右側の役割を付箋紙が担うというわけです。

『メモで未来を変える技術』

そう私は付箋紙が大好きで、ひらめいたことなどは付箋紙を使って書きためているのですが、どうも整理がうまく行かない。
ジャンル別に貼ったノートはパンパンだし、一枚の紙に貼ると、その紙ごとどこかに行ってしまう(笑)
けれど、アイディアは次から次へとわき上がる。ノートに整理するも書き出す位置によってぐちゃぐちゃに。
そこで何かアウトプットしたものの整理法はないかと探して出会ったのがこの本でした。

 

メモで未来を変える技術』 単行本 – 2016/3/24
小野正誉 (著), 発行サンライズパブリッシング 発売星雲社 (その他)

この本は、ある程度、発想法やアイディアの出し方などについて勉強した人にとっては、そして夢を叶える方法について本を漁りまくった人たちにとっても、ごく当たり前のことが書いてあるのですが、とても分かりやすく書かれています。このごく当たり前のことを分かりやすく書くのが、どれだけ大変か(笑)そして、身近な「メモ」という道具でそれを着実にできるという方法が親切丁寧に書かれています。なので、こんなにも人気なのでしょうね。
そして、文章全体が優しくポジティブです。私も見習わないとと思いました(笑)人によってこの本を読んだ感想は異なるでしょう。私はこの文体がまず勉強になりました。

他にもこの本に感銘を受けた点はあるのですが、今日はそのうちsection56について。

 

「セミナーで活用したい一本線ノート術」

冷静にセミナーを振り返ってみると、講師の話のうち重要なのは「自分の心に響いたこと」だけです。
なおかつ、自分の人生に良い変化をもたらすこのだけが、有用情報ということになります。
ですから、セミナーの内容を一言一句漏らさずにノートに書くのは非効率的です。

ああ、この先生も私と同じ考えなのだと感じました。そして、この先生はご自身が受講されるとき、ノートに縦に一本線を引き、講師の話や板書の内容で重要なことは左に、自分が感じたことや考えたこと、ひらめいたことは右に書くとのこと。
このsectionを読んだ時、私は「これで良かったんだね」と肩をポンポンと叩かれたような気がして、安堵の息をつきました。

最近、日常生活が忙しすぎて、セミナーの準備の際に、この空白をつけたプリントを用意していませんでした。大反省です。
そして、最近思いついた、穴埋め式レジュメというのがあるのですが……。

これ、よく見たら、それは私の話を聞き漏らさないで欲しいというレジュメ方式で、私の理想とはむしろ逆。これでは本末転倒ですね。

 

余白のメモで文章が変わる

ちょっと遠のいていたけれど、また以前の形式を復活させようと思います。
この右側の余白に何を書くのかはその人次第。そのメモから始まり、深く考察し、出てきた文章はその人の為人(ひととなり)がでているはずです。そして、メモを取りまくるということは、その都度考察するということ。つまり、そのアイディアをまとめて書いた文章もどんどん良くなっていくのです。
そう。この本のタイトルを拝借すると、余白のメモで文章が変わるのです!

 

 

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