文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

体験中にどれだけ記録するかで感想文が変わる

2021年11月11日



先日、小学生対象の体験文講座の講師をしました。東大寺に宿泊するというプログラムの最終課題であるアウトプット、体験文です。この講座、毎年担当しているのですが、年々作文が良くなってきています。もちろんそれぞれの子が学年が上がっている、つまり成長しているというのもあるのでしょうが、それ以上に感じるのが、作文へのとりくみ方を変えた結果、作文スキルの上達につながっているようだということ。

その子たちには、私が開発した「発見シート」なるものを持たせています。行程全体を含め体験中に気が付いたことや、心が動いたことがあれば、とにかく書き留めるのです。見本を添えますね。





このシートの「観察」「疑問」「気持ち」「気づき」「シェア」の5項目についてその場で書き込んでいきます。「その場」というところがポイントです。書けない項目は飛ばしてOK とにかくその時その場でどんどん書き込んでいきます。書き始めると意外に書けるようになるところも、思考を言語化する訓練が効いてくるから。

体験文は、このシートを見ながら書きます。

偶然同じ日に、高校生コースの生徒から、学校で修学旅行の作文を書かなくてはいけないのだが、何を書けばいいのか分からないという相談を受け、どんなことを体験中に感じたか聞いてみたら、忘れてしまったとのこと。
本人も覚えていないのに、同行していない私には何もできません(笑)

もちろん、このシート、作文を書く際に思い出せるようにという目的で作成したのですが、書き込んでみると、物の見方が変わってくるのです。
ボーっと参加していた子が、このシートによって変わってきました。細かいことを見るようになるし、分からないことは引率の教師や、例えば寺なら僧侶に尋ねる子も出てきます。友だちと話し合ったり、共感しあったり。積極的に関わるようになるんですね。2泊3日の行程で20シート書いた子もいました。

みなさんも、例えば子供と水族館や動物園に行く時など、気づいたことをメモさせてみてください。その時にただ「メモ取りなさい」と言っても、子どもには通じませんので、どういうところを見たら良いのかチェック項目を作っておくといいでしょうね。またそういう場所には職員がいますので、分からないことはぜひ質問してみましょう。施設によっては、子供用に専用の記録帳が販売されているところもあります。観察ポイントなども的確です。先ほどのシートもどうぞ活用してくださいね。


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