文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

受験生のみなさんへ 受験日のキミは今のキミじゃない

2017年11月20日
正直な話、「学校なんてどうでもいい」んです。子どもたちが学校で過ごす時間は全生活時間のたったの20%しかありません。しかも人生100年時代のうち数年。だから、そこで人生なんか決まらないし、むしろそこだけで決まる人生なんて寂しい。ただ、友達を作るのは最高ですね。
と、50年以上生きてきた私は思うのですが、この話を受験生にしようものなら、保護者の方からクレームが来そうなので、今日は変化球で受験生を応援します。

 

大人になってからも勉強は続く……というかそこからがむしろ本番


私は教育学部の心理学科卒なので、まあ、そこでの勉強はほぼ今の仕事に役に立っている。……と思われているけれど、実際、大学時代は、バンドの練習とアルバイトに明け暮れ、授業時間はほぼ睡眠に充てられていました。心理学や教育学の勉強は、卒業後、仕事がらみで再勉強しました。
他にも、大学では履修しなかった、経済や政治、文化や芸術など、「教養」と呼ばれるものは、本当に最近になって、様々なジャンルの本を読むようになってから。
だから、まず、受験をゴールに設定しないこと。本当のラスボスはそこにはいません。ただ、受験をかいくぐったキミは明らかに今とはHPが違います

 

象を分割して食べる


大きな目標を、分割してこなす方法があります。有名なのは「象を食べる方法」
あの大きな象を食べるとなると、誰もがひるむ。美味しいかどうかは分からないけれど、ひるみますよね。その時、分割して食べるのだと考えるという話です。
例えばアフリカ象の体重はだいたい6,000キロ。6,000キロの肉を食べろと言われたらひるみます。
でも、朝も昼も夜も食べて、1日500gだったら食べられそうです。12,000日、約33年で食べ終わります。
私は戦略性を使って、みんなに分けたり、スープにしたり、干物にして水分を飛ばしたり、色々な味にアレンジしたりして、もう少し早く食べ終わるようにすると思いますが、この話は、大きな目標も分解して小さな目標を立てて、ひとつひとつクリアしていけば、大きなことが達成できるという話。

 

受験は、そんな均等な話じゃない


しかし、受験を突破することと、象を食べることは少し違います。たとえば、縄跳び。1回も飛べない人が、合計10,000回飛ぶというチャレンジをしたとします。今の実力では、1日に頑張って100回が限度。単純計算で、100日かかります。ところがこの人が毎日飛び続けると、最初100回飛んだらヒーヒー言ってひざまずいていたのに、2週間もすると体力が付いてきて、3週間もすると筋肉が付いてきて、4週間もすると根性が付いてきます。そして、100日もかからず、例えば半分の50日で済むようなことが出てくるのです。そう、受験勉強も縄跳びと同じで、続けることで、体力と筋肉と根性が付いてきます。また運動と違い、要領良くできるようになるし、集中力も加勢します家族が気を遣ってくれたり、環境を整えてくれたりして、さらに状況が良くなるかも知れません。この時期は周囲への感謝を怠りがちですが、それは結構お互い様というか、親にならないと親の苦労は分からないので、今の感謝は親になる将来まで取っておきましょう(笑)

 

周りのみんなも頑張るので、変化を感じにくい


さてさてところが、この時期、周りのみんなも一斉にがんばるので、模擬試験の偏差値は足踏み状態になり、成長したように感じないのです。その場合は、もっと絶対的な評価を自分でしなくてはいけません
ゲームでもそうですよね。明らかに武器が増え、仲間も増え、HPも上がっているのに、なかなか友達の記録を抜かせない。そんな時にこそ、自己データをきちんと分析して、自分が確実にレベルアップしていることを再確認しましょう。この時期はむしろ「象はあと何キロ残っているか」という計算の方が向いているとも言えます。保護者の方たちも、スタート時点からの変化を大切にしてあげてください。「そんな時期と比べたって」と子どもは言い返してくるでしょう。それでも本人が分かるまで言い続けてください。

 

受験日のキミは今のキミではない


模擬試験があるたびに「このままじゃ受からない」と不安になる時期があります。まあそこで、本当に勉強不足なら巻き返すだけですが、意味のない不安に襲われることはありません。偏差値以外の自己データをしっかり確認しましょう。そうして、巻き返したり、見直して仕切り直すということを続けた結果、受験日の朝「さあ、今日は本番だ!」と武者震いしているキミは、今のキミとははっきり言ってレベルが違っているはずです。
課題を1つ1つクリアしていって経験を積んだキミ、自分ひとりではできないことを、家族に支えられて、学校や塾の仲間と乗り越えて行ったキミは、ちゃんとそこに胸を張って立っているし、その時のキミは、今のキミより、ずっとすごいキミになっていると、自分で自分を信じられるはず。

 

追伸:親にできること


究極のことを言えば、親に出来ることはあまりありません。私は教育相談では、よく、

なんて話すくらいです。
親が教育に口を出す弊害は、あちこちで語っています。もし、塾に任せているのなら、100%塾に任せた方が良いです。あなたが塾の教師でない限り、塾の教師にはかないません。中学受験くらい、高校受験くらいと、しゃしゃり出ることは、医者に対抗して、我が子に外科手術をしてみるようなものです。もし、親に、知識や人間力で、若い塾教師に勝るものがあったとしても、それをわざわざ子どもの受験期にひけらかす必要は全くありません。そういうものは、365日、背中からにじませるものです。
そんなことよりも、親にしかできないことがあります。それは「我が子を信じること」です。この壮大な力は、受験するしないに関わらず、どんなベテラン塾教師も、親にはかなわないのです。

受験を決めた時のキミよりレベルアップしたキミが受験する。だから大丈夫。
そう言って、背中をポーンと叩いてあげてください。

 

 
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