お子さんの作文、書きっぱなしになっていませんか?
2017年6月2日
あなたが部下に書類の誤りを指摘したとします。「ここ、分かりにくいよ」
その時に、部下が書き直さなかったらどうなりますか?
大げさに言うとそういうことが学校教育現場にはあるのです。
私の講座では低学年で短文作り、中学年で文章作りを学習し、高学年では要約文や意見文を書かせます。また夏休みには読書感想文講座も開いています。その中で「書き直し」を学年に応じてさせています。書きっぱなしにさせないことが大切なんですね。
例えば今年の春5年生になったばかりのこの生徒の作文を読んでみてください。
課題は「目が見えない人は何が不自由か」です。
その時に、部下が書き直さなかったらどうなりますか?
大げさに言うとそういうことが学校教育現場にはあるのです。
書きっぱなしにさせない
私の講座では低学年で短文作り、中学年で文章作りを学習し、高学年では要約文や意見文を書かせます。また夏休みには読書感想文講座も開いています。その中で「書き直し」を学年に応じてさせています。書きっぱなしにさせないことが大切なんですね。
例えば今年の春5年生になったばかりのこの生徒の作文を読んでみてください。
課題は「目が見えない人は何が不自由か」です。
書き直し指導
まず、全体の構造を理解してもらいます。
私の教材の場合は、木曜日に作文の計画を立て、金曜日に仕上げるという作業を毎週、年間48回繰り返すことになります。木曜日の段階では私の指示に従ってマスにキーワードなどを埋めていく方法です。ですから、いつの間にか書けているのですが、作文に赤を入れる段階で、どういうことなのかがはっきり分かります。
この作文の場合は、
結論→そのことを証明する例1、例2→あらためて結論+自分の思い
という構造になっています。
最初はピンとこないかもしれませんが、さすがに48回も繰り返すと、意見文の書き方が身についてきます。
もちろん、この形式以外の他の型もあります。
次に、形式的なミスを訂正します。
コミュニケーションという単語について「取る」という言葉が使えていません。「コミュニケーションができない」「コミュニケーションが不自由」という言い方をしています。ちょっとだけ惜しい。それは知らないからです。でも使おうとする努力はしています。そこで「コミュニケーションは『取る』という言葉を使うと便利です」ということを教えます。
また、漢字のミスなどもこの段階で指摘します。
そして、重要な添削をします。
最後の最後でまとめた「思い」を書いていますが、スムースに伝わっていません。これも言葉の順序を変えることで解決します。ここの部分の書き直しは、非常に意味があります。自分の「思い」をもう一度検証することになるからです。
次が、彼の書き直した作文です。
すっきり仕上がっていますね。試しに音読してみてください。びっくりするくらい彼の言いたいことがスムースに伝わってきます。
もう少し語彙を増やして表現力を付けた方が良いところもありますが、それはこれからおいおい見ていきます。また、赤ペンを書き写しただけで本当に理解していないという場合もあります。それは同じようなところでつまづくかどうかを見ていたら分かります。
このように、作文は書き直しを指示することにより大きく変わります。また作文が変わるだけでなく、書き手も大きく変わります。
言葉の使い方は正しくなるし、誤字も直っていきます。作文の型も徐々に覚えていきますし、自分の脳から意見を出すことを繰り返すことにより、そのシナプスも強くなっていきます。
さて、ここまで読んでお気づきだと思いますが、この作業には添削者が必要で、そしてそれは完全に個別的でなくてはいけません。そうです。集団ではできない指導なのです。つまり、この指導の形式上、学校教育では難しいということになります。また、生徒によっては、ここが全然書けない場合もあります。事実をたんたんと綴ることができても、自分の意見を添えることができないのです。この指導こそ個別でなければできないものです。
毎週毎週作文の課題を出し、書き直しをさせる先生は予備校の小論文講師ぐらいしかお目にかかれないものです。もちろん、先生によっては力を入れている先生もいるでしょう。赤ペンをしっかり入れて、書き直しを指示してくれる先生に当たったあなた! それはめちゃくちゃラッキーなことですから、お子さんと一緒に頑張って下さい。
それ以外の場合は、私の講座でもいいし、作文指導塾、通信の作文指導などを受講することをお薦めします。
例えば野球の素振り。もちろんそれだけでも筋肉ぐらいはつきます。でももし、プロの選手が「そこ、少し力が入りすぎているから抜いてごらん」「そうそう、その角度で続けてごらん」「もう少し右足をひいてみようか」そうアドバイスをくれたとします。その時に、言われたとおりやってみますよね? それが作文でいう「書き直す」という状態です。
何の稽古でも同じですよね? ピアノ、習字、サッカー、水泳、陸上、料理、ダンス……等々。
自己流でやりっ放しの人と、アドバイスを受けてその通りやってみた人、その差は歴然としています。また、それが年間積み上がっていったら相当大きな差となります。
運動会の作文、遠足の作文、読書感想文、お子さんの作文が書きっぱなしになっていませんか?
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もう少し語彙を増やして表現力を付けた方が良いところもありますが、それはこれからおいおい見ていきます。また、赤ペンを書き写しただけで本当に理解していないという場合もあります。それは同じようなところでつまづくかどうかを見ていたら分かります。
書き手が成長する書き直し
このように、作文は書き直しを指示することにより大きく変わります。また作文が変わるだけでなく、書き手も大きく変わります。
言葉の使い方は正しくなるし、誤字も直っていきます。作文の型も徐々に覚えていきますし、自分の脳から意見を出すことを繰り返すことにより、そのシナプスも強くなっていきます。
書きっぱなしの弊害
さて、ここまで読んでお気づきだと思いますが、この作業には添削者が必要で、そしてそれは完全に個別的でなくてはいけません。そうです。集団ではできない指導なのです。つまり、この指導の形式上、学校教育では難しいということになります。また、生徒によっては、ここが全然書けない場合もあります。事実をたんたんと綴ることができても、自分の意見を添えることができないのです。この指導こそ個別でなければできないものです。
毎週毎週作文の課題を出し、書き直しをさせる先生は予備校の小論文講師ぐらいしかお目にかかれないものです。もちろん、先生によっては力を入れている先生もいるでしょう。赤ペンをしっかり入れて、書き直しを指示してくれる先生に当たったあなた! それはめちゃくちゃラッキーなことですから、お子さんと一緒に頑張って下さい。
それ以外の場合は、私の講座でもいいし、作文指導塾、通信の作文指導などを受講することをお薦めします。
書き直すとは?
例えば野球の素振り。もちろんそれだけでも筋肉ぐらいはつきます。でももし、プロの選手が「そこ、少し力が入りすぎているから抜いてごらん」「そうそう、その角度で続けてごらん」「もう少し右足をひいてみようか」そうアドバイスをくれたとします。その時に、言われたとおりやってみますよね? それが作文でいう「書き直す」という状態です。
何の稽古でも同じですよね? ピアノ、習字、サッカー、水泳、陸上、料理、ダンス……等々。
自己流でやりっ放しの人と、アドバイスを受けてその通りやってみた人、その差は歴然としています。また、それが年間積み上がっていったら相当大きな差となります。
運動会の作文、遠足の作文、読書感想文、お子さんの作文が書きっぱなしになっていませんか?