文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

読書感想文2019年課題図書の紹介・解説

2019年7月8日
今年もこの季節がやって参りました。

課題図書について、どんなに素敵なお話か、どんなお子さんに向いているか、解説していきます。

読書感想文の書き方については、こちらのブログをご覧ください。

https://kakimakuru.com/blog/36071820190807

 

低学年の部

魔女ののろいアメ


PHP研究所
著者:草野あきこ・作 ひがしちから・絵
本体価格:1,200円

【内容】(Amazonより)

日曜日、サキはお姉ちゃんが借りてきた本も一緒に図書館に返しに行くことになりました。お姉ちゃんは、遊びに出かけてしまったのです。
図書館に行く途中、いつもはない「アメ屋」と書かれた屋台を見つけました。すると、屋台のおばあさんが、実は自分は魔女なんだと言いだしました。そして、魔女はとっておきの「のろいアメ」をサキに売ってくれると言うのです。のろいアメは、だれかさんの悪口を10個言いながらまぜてつくるアメ。それは、苦くてからくてすっぱくて、食べた人はひっくり返るくらいまずいアメになるそうです。サキは、魔女からのろいアメを買うことにしました。
サキは、早速お姉ちゃんの悪口を言いながらのろいアメをまぜていきました。おねえちゃんの悪口は、20個でも30個でも言えそうです。「おねえちゃんは、いばりんぼう。それに、くいしんぼうでうそつき……」と、言っていると、だんだんアメが固くなってきました。ところが……。

【ワンポイントアドバイス】

まず、姉妹のいるママにお勧め(笑) 泣きます。
いつもお姉ちゃんや妹と喧嘩をしてしまう女の子には、親しみやすい内容なので、感想文が書きやすいかもしれません。ただし、自分は違う気持ちなんだという場合も書けます。そういう意味で言うと、一人っ子の方がぐっと来るかもしれません。この本の感想文を読んでみたいです。

スタンリーとちいさな火星人


あすなろ書房
著者:サイモン・ジェームズ・作 千葉茂樹・訳
本体価格:1,400円

【内容】

かあさんが仕事で出張にでかけた日、スタンリーは火星へと飛び立ちました。
すると、入れかわりにやってきたのは、スタンリーによく似た小さな火星人。
にいさんのウィルに「弟のスタンリーにそっくりなんだけどな」といわれても、
「ボクはスタンリーじゃない。カセイジンだ」といいはります。
地球の調査のためにやってきたというこの火星人、
いつもヘルメットをかぶっていて、手は洗わないし、お風呂にも入りません。
そのうえ、学校では親友のジョシュをつきとばして、泣かせてしまいます。
そんな一日が終わり、かあさんが帰ってくると、火星人は……?
母親がいない日を、空想の力でなんとかやり過ごそうとする男の子と、
それをやさしく見守る家族の姿が、あたたかく描かれている絵本です。

【ワンポイントアドバイス】

いい子になりたいけど、なれない。そんな少しへそ曲がりさんが主人公。好きな時には好きと言う、そんな素直なことは大人でもできないものですよね。さて、あなたのお子さんはStanleyに共感するでしょうか。それとも「へんなの!」と言うでしょうか。

心ってどこにあるのでしょう?


金の星社
著者:こんのひとみ・作 いもとようこ・絵
本体価格:1,400円

【内容】(Amazonより)

心ってどこにある? 好きな人の前で赤くなるからほっぺ? ドキドキするから胸? いやな
ことがあると痛くなるから、おなかかな。犬の心はしっぽにあるかもしれない。いろんな
涙があるから目にあるのかも…。温かい絵と文で贈る“心えほん”。

【ワンポイントアドバイス】

私は脳損傷者の支援をするNPOで理事をしており、いつも「心は脳にある」と話しています。でもさすが絵本。そういうことではなく、一つ一つ出来事を取り上げて、どこにあるか子どもたちに考えさせるのですね。きっと、幼いながらも自分が経験したことを、思い出して、どこがどうなったか、味わうのでしょう。素敵な本です。

もぐらはすごい


アリス館
著者:アヤ井アキコ・作 川田伸一郎・監修
本体価格:1,500円

【内容】(Amazonより)

土の中のくらしに合った目や耳、驚きの食べっぷりなど、「もぐらってすごい! 」という感動を、ユーモアのある絵と文で紹介。

【ワンポイントアドバイス】

動物に興味があるお子さんなら、きっと興味を持って読むにちがいありません。私の田舎の方では、もぐらは身近な動物なのですが、みなさんの地域ではどうでしょう?
もぐらと人間を比較して、もし、自分がもぐらだったらという視点で書かれたページもあり、もぐらの力や食欲に、私もびっくりしました。親子で読んでみてください。

中学年の部

かみさまにあいたい


ポプラ社
著者:当原珠樹・作 酒井以・絵
本体価格:1,200円

【内容】(Amazonより)

大好きだったおばあちゃんに、うそをついたまま永遠の別れを迎えてしまった雄一。
ひょんなことから、同級生の竜也といっしょに、「神さま」との交信を試みるが……。
心の傷を抱えた少年たちのひみつの友情と成長の物語。

【ワンポイントアドバイス】

まるで映画を見ているような描写が多いです。男の子はもちろん、女の子も楽しめる本。ちょっとスリリングなこともあったり、ちょっと泣けちゃう話もあったり。共感ポイントが多いはず。得に親が働いている子にお勧めですが、親御さんにも読んでほしいです。

子ぶたのトリュフ


さ・え・ら書房
著者:ヘレン・ピータース・文 エリー・スノードン・絵 もりうちすみこ・訳
本体価格:1,400円

【内容】(Amazonより)

お母さんぶたのおっぱいもすえなかった赤ちゃんぶたは、ジャスミンのけんめいな世話で命をとりとめる。そしてあらしの夜、かしこい子ぶたに成長したトリュフは、行方不明になったモルモットを、においをたよりに追いかける。

【ワンポイントアドバイス】

近日公開

そうだったのか!しゅんかん図鑑


(小学館)
著者:伊知地国夫・写真
本体価格:1,300円

【内容】(Amazonより)

ふだん何気なく見ているものを、
その瞬間でストップ!
撮影してみました。

<内容>
◆わる!消える!(シャボン玉を指でわる 自然に消えるシャボン玉)
◆これはなに?なんだろう?(シャワーの水・じょうろの水 じゃ口からたれる水)
◆消える!点く!(ろうそくの炎が消えるとき 点火ぼうの点火の瞬間)
◆わる!はじける!(たまごをわると ポップコーンがはじめる瞬間)
◆これはなに?なんだろう?(ミルククラウン・オレンジクラウン 水入り風船がわれるとき・風船がわれるとき)
◆こぼれる!しずむ!(コップの水がこぼれる トマトが水にしずむ)
◆ぶくぶく ふく!沸かす!(ストローでふいたときの泡 沸騰の泡)
◆つぶれる!投げても!打っても!(ドッジボールをゆかに投げつける テニスボールをラケットで打つ)
◆火花がちる! 煙が上がる!(せんこう花火の火花 蚊とり線香の煙)

驚き連続の写真絵本です。
めくるとページが2倍になる造本で、より驚き度もアップ!
きっと自然科学への興味が湧いてきます。

 

【ワンポイントアドバイス】

近日公開

季節のごちそうハチごはん


ほるぷ出版
著者:横塚眞己人・写真と文
本体価格:1,500円

【内容】(Amazonより)

岐阜県の郷土料理のひとつに、「ヘボの甘露煮」というものがあります。「ヘボ」とはこの地方の呼び名で、クロスズメバチという種類のハチです。ハチを食べると聞くとおどろくかもしれませんが、むかしから、日本各地や世界中で、虫は食べられてきました。日本の一部の地域では、今も、季節のごちそうとして虫を食べているのです。いったい、どんなふうに虫を食べているのでしょうか。

【ワンポイントアドバイス】

実は私は仙台と千葉のハーフで(笑) 仙台では、イナゴと蜂の子を食べます。
初めてその話を聞いた時、私はもう「おえーーーっ」となってしまったのですが、同じくらいの年の従姉妹が美味しそうに食べているのを見て、また、潔癖症の母もこれを食べて育ったと聞いて、目をつむって清水の舞台から飛び降りるつもりで食べました(笑)
そしたら、甘くて美味しくて、びっくり。しかも栄養価が高いので、元気が出るんですね。
特に最近では、虫を食べるのが、お笑い芸人が未開地に行った時、または罰ゲームなどで使われることなので、ろくな印象がありませんが、実は、とても栄養価の高い贅沢品です。
本を読むと分かりますが、手間も相当かかっています。
また、こういういものすら採れない枯れた地で餓死する子どもたちが居ることにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

高学年の部

ぼくとニケ


講談社
著者:片川優子・著
本体価格:1,400円

【内容】(Amazonより)

ある日、子猫がやってきた――。5年生で突然登校拒否になった幼なじみの仁菜が、薄汚れた子猫を拾い、ぼくの家へ連れてきました。自分の家で飼えない仁菜にかわって、ぼくと家族が世話をすることになったのだけれど……。子猫のニケに関わる中で数々のことを学んでいく、ぼくの様子がていねいに紡がれます。15歳で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し鮮烈デビューした獣医師が描く、大切なお話です。

【ワンポイントアドバイス】

近日公開

かべのむこうになにがある?


BL出版
著者:ブリッタ・テッケントラップ・作 風木一人・訳
本体価格:1,600円

【内容】(Amazonより)

大きな赤いかべがありました。いつからなのか、どうしてなのかだれもしりません。ねずみはかべのむこうが 知りたくて鳥にたずねると…。

【ワンポイントアドバイス】

近日公開

マンザナの風にのせて


文研出版
著者:ロイス・セパバーン・作 若林千鶴・訳 ひだかのり子・絵
本体価格:1,500円

【内容】(Amazonより)

1942年,アメリカ。日系アメリカ人のマナミは、ワシントン州ベインブリッジ島で、家族と幸せに暮らしていた。いつものように学校へ通い、友達と遊ぶ日々は、ある日突然変わってしまう。家族で「強制立ち退き」しなければならなくなったのだ。

【ワンポイントアドバイス】

近日公開

もうひとつの屋久島から:世界遺産の森が伝えたいこと


フレーベル館
著者:武田剛・著
本体価格:1,500円

【内容】(Amazonより)

1993年、日本で初めて世界遺産に登録された屋久島。この自然豊かな島のいたる所で、その11年前まで広大な原生林が伐採されていた事実があった!屋久島の過去・現在・未来にせまる、渾身のドキュメンタリー。

【ワンポイントアドバイス】

近日公開
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