文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

小論文で差がつく「AIとの共存」――表面的な議論から一歩先へ

2026年2月13日

文章力養成コーチの松嶋です。
私は小学生から高校生まで、作文と小論文の指導を行っています。

最近の大学入試小論文では、「人間とAIの共存」をテーマにした課題が増えています。単なる知識ではなく、最新の技術をどう受け止め、自分の考えとして整理できているかが問われるテーマです。

AIが小論文に登場し始めたころは、「AIに仕事を奪われないために、人間にしかできないことを考える」という構図が主流でした。しかし、AIの性能が急速に向上するにつれ、「人間にしかできないこと」という前提自体が揺らぎ始めています。

現在は、AIの長所と短所を整理したうえで、どのように活用し、人間とどう共存していくのかを考える流れが中心になっています。

まず長所。
AIは大量のデータを処理し、高精度な予測や判断を行うことが得意です。医療、自動運転、金融、製造業など多くの分野で活用が進み、効率化やコスト削減が期待されています。その結果、人間はルーチンワークから解放され、より創造的な仕事に集中できる、という見方が一般的です。

一方で短所もあります。
AIは過去のデータに基づいて判断するため、前例のない状況やデータ不足の場面では誤った結論を出す可能性があります。また、判断の過程が見えにくい「ブラックボックス問題」も長く指摘されてきました。ただし、これらも技術の進歩によって徐々に改善され、判断過程を可視化する研究も進んでいます。

ここまでを書くだけでは、多くの受験生と同じレベルにとどまります。差がつくのは、この先です。

近年注目されているのが「共進化」という考え方です。
AIと人間が単に役割分担するのではなく、互いに学び合いながら進化していくという視点です。AIは人間の創造的思考を学び、人間はAIの計算力や効率性を取り入れる。さらに、ブレイン・マシン・インターフェースの発展により、人間の脳とAIが直接つながる可能性も示されています。これは福祉の分野、とくに障害の軽減という観点からも注目されています。

「情動型AI」という視点もあります。
論理だけでなく感情や共感を理解するAIが実現すれば、介護やカウンセリングの現場で心のケアを担う存在になるかもしれません。人間の感情を理解し、適切なフィードバックを行うことで、ストレス軽減や人間関係のサポートにつながる可能性もあります。

さらに「集団知能」という概念も考えられます。
AIと人間がネットワークで連携し、全体として問題解決に取り組む形です。AIが専門的処理を担い、人間が創造性や倫理判断を提供することで、複雑な社会課題への対応が可能になります。

AIが倫理的監視を担う未来像も描かれています。
法的・倫理的基準をAIがモニタリングし、問題が起きる前に警告を出す仕組みが整えば、社会の透明性や公正さは高まるでしょう。

こうした流れの中で、人間の役割そのものが変わろうとしています。
単に新しい職業に適応するのではなく、価値観や役割の再定義が求められる時代です。倫理観、感情、直感、そして複雑な社会的・文化的文脈に対応する力。これらが、人間の中心的な役割になる可能性があります。

「新しい仕事が生まれる」という単純な話にとどまらず、人間とAIの関係そのものを問い直す。そこまで踏み込めると、小論文は一段深まります。

私の教室では、高校生を中心にオンライン・マンツーマンで小論文指導を行っています。
中学生コースでは、その下準備、思考の言語化を鍛えています。

今の学年や現在の実力のまま始められ、それぞれの思考段階に合わせて、「考えを整理する力」から丁寧に育てています。

小論文で求められるのは、柔軟な思考、批判的視点、若者らしい未来志向、多角的な見方、そして倫理観です。これらは一朝一夕で身につくものではありませんが、目的に合った練習を積み重ねることで確実に伸びていきます。

表面的な賛否を超え、自分の言葉で未来を語れる力。
それが、これからの小論文で本当に評価される力です。

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