文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

大人の文章教室 大人になって学ぶこと

2017年3月22日

「大人の家庭教師」などというキャッチフレーズも流行っていますが、手習いごとと違って上達が見えにくい「文章力」。日本語なのでついつい後回しにしてきたこのジャンルですが、大人になって学ぶとはどういうことか受講生の言葉から考えました。

 

先生、私は今までのブログを全部書き直したいくらいです。

個別講座では、ほぼ全員がこの言葉を発します。「添削」と聞くと、一般的に赤がいっぱい入った原稿をイメージすると思います。実際私の赤ペン原稿もそうです。でも、私の場合は、ただ言葉を選び直す、誤字を修正する、そういう単純な作業ではありません。
「そもそも、あなたは何の為に、外に発信しているのですか?」
というところまで戻る時もあります。
「軸」をある程度決めて書かないと、それぞれのカテゴリのプロには勝てないからです。自分のスタイルを決めることが先決ですが、それは書きながら探していく方法が良いと思うので、まずは書かせています。また、
「読者の心に届くように、どうしてこの順番で段落を配置したのか、作戦を言ってみてください」
「その言葉は、あなたの理想の文に相応しい言葉ですか? 他の言葉ではなぜだめなのか言えますか?」
「このキーワードでたどり着いた人に対し、『あ、ちがった』と思わせない工夫を何かしていますか?」
ブログ記事が教材の場合は、こんな指導をしています。書き直して行くと、過去の自分の作品が嫌になるようで、冒頭の「全部書き直したい」という言葉になるようです。

実は私も同じなのです。私は1999年ごろからあちこちに記事をアップしているのですが、古い記事は抹消したいくらいです(笑)数ヶ月前の記事で書き換えたくなります

どうしてそう思うのか、それは、その間、成長しているからなんですね。ですから「過去の記事を書き直したい」と思うのは「成長している証拠」と捉えてもらっています。私も「成長している証拠だから」と自分に言い聞かせています(笑)新しい技術や考えを学んだときに、人は昔の自分を恥じるようになるのかもしれません。気にせず進化を遂げる。そんな機会が「学び」にはあるのだと感じます。

 

 

學而時習之。不亦説乎。

学びて時に之を習う亦説ばしからずや(まなびてときにこれをならうまたよろこばしからずや)
孔子の言葉です。
「学んだことを、機会があるたびに学び直し、より深く理解していくことは、なんと嬉しいことだろうか。」という意味です。

大人が何かを習うということには、この喜びが大きいと思います。実際、文法を持ち出すと「中学の時に習った記憶があります。やっと実践できる場面に出会えました」という言葉をいただきます。

日本では、小学校と中学校の義務教育期間中に、社会に出て役立つ基礎学習を済ませます。
みなさん、小難しい文法について「これがいったい何の役に立つんだろう」と疑問に感じながら暗記した記憶があることと思います。それら文法も実は、言葉を体系的に分類して考えたり、例外を抽出したりするのに、使われることが多いのです。例えば、標準語では「おられる」が敬語として誤用なのですが、それがどうして誤用なのかということを小学校で習った知識で、十分文法的に証明できます。文法を知っていれば「○○部長おられますか?」という間違った敬語を使っている後輩がいたら、理由を添えて説明できるのです。

そして、そんな蘊蓄(うんちく)話をするよりも、もっと重要な要素が「学習」にはあります。それは、「どうしてそうなるのか考えよう」という問題意識を持てるということです。この力を付けさせる為に、小学校と中学校の義務教育期間中に、もの凄く沢山のことを覚えさせ、調べさせ、納得させるのです。
勉強とはそういうものです。勉強の中身も大切ですが、それを生活に役立てようとする気持ちが大事。
そして、その役立て方を教えるのが義務教育なのです。教育の重要性はここにあります。
それは、義務教育をとっくに卒業した大人も同じことですね。何かを学ぶというのは、学ぶことがら自体も大切ですが、学ぶというスタイル、姿勢、そしてそこから学べる意識も大事だということに気づくのです。

大人になって学ぶことには、自分の過去を恥じるほど進化し続けていることを感じること、学びから学ぶことの重要性に気づくこと、そんなメリットがあるように思います。

写真は、湯島聖堂の楷の木。学問の木と呼ばれ、受験生が落ち葉を持ち帰るそうです。枝や葉が整然としていることから、「楷書」の語源ともなったと言われています。2007年撮影のこの写真を使った、私の過去のブログに出会い、あまりの日本語の汚さに驚いてしまいました(笑)私自身も受講生と一緒に学び続けて過去の文章を恥じるくらいに成長していきたいです。

 

 

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