読書感想文の書き方
2019年7月8日
読書感想文。夏休み最悪の思い出になっていませんか?
夏休みの読書感想文。この宿題さえなければ! そもそもこの宿題、意味あるの? はい。そんな思いに同情します。実は、読書感想文って、学校で書き方を教わっていないんですよ。もちろん、家でも教えられるわけがないですよね。だったら子どもに書けるわけがない!
それなのに小学1年生から宿題にされて、楽しかった夏休みの思い出が台無しになるくらい、始業式前日の暗黒の親子バトルの原因になってしまう読書感想文。
ところが、きちんと書き方を教えて、きちんと練習をすると、その力がまた、一生の宝になるんですよね。
小中学校、下手したら高校まで続くこの「読書感想文」の宿題。
毎年泣く泣く書くより、いっそのこと、書き方を身につけてみませんか?
読書感想文の書き方を身につけると、まず、本を通して自分と向き合い、自分の意見をまとめる力が身につきます。そして、もう想像できると思いますが、その力は他の教科でも役立ちますし、入試改革後の大学入試、果ては社会に出てからも役に立つ力となるのです。
読書感想文指導と聞くと、「コンクールで賞を取った子の作文のような、ドラマチックな書き出しや、セリフを使った演出などを指導してくれるのかな?」と思っている方は多いと思います。しかし実は「表現方法」は自分の感想を自分と向き合って発見し、言語化してみてから、そのあとの課題なんです。私は、まず、本と、そして本を通して自分と向き合う方法を指導しています。
ゆか先生に教わってから、読書感想文だけでなく、色々な感想文が楽に書けるようになった!
受講生の言葉です。
さあ、今年、一緒に読書感想文を体験してみませんか?
読書感想文で泣く夏休みはもう終わりにしましょう。
読書感想文の書き方ダイジェスト版
0. 計画を立てる
「読書の計画」と「作文の計画」を立てます。
まずは、本を買いに行く日を決めましょう。そして、感想文を仕上げる日を決めましょう。
一日のうち、1,2時間ぐらいを感想文の時間に費やせるとすると、本選びから完成まで、だいたい2週間かかると思ってください。
途中、読書感想文に触れない日もありますので、本を選んでから、読書感想文の完成まで2週間の期間がある、そんなイメージです。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文
昨年、こどもまなび☆ラボさんに寄稿したコラムです。是非、じっくり読んでみてくださいね。
なるべく大きな本屋に親子で行ってください。そこで、3冊か4冊、気になる本を購入します。子供が本を持ってきたら「あら! 面白そう!」「わぁ! 素敵な表紙ね!」「楽しみね!」と、できるだけ多くの良いところを見つけて、その本を選んだ子供をまるごと「肯定」してください。子供はそれだけで自信を付けます。嬉しい気持ちになり、やる気になります。
本を選ぶ時の、ママのNGワード
「えー、そんな本読むの?」
「ちゃんと最後まで読めるの?」
「どうせ途中で諦めちゃうんじゃないの?」
「あなたには難しすぎるんじゃないの?」
「あなたには易しすぎるんじゃないの?」
「もう少しちゃんとした本選びなさいよ」
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第2回:そうだ、本屋へ行こう!
1. 本を選ぶ
なるべく大きな本屋に親子で行ってください。そこで、3冊か4冊、気になる本を購入します。子供が本を持ってきたら「あら! 面白そう!」「わぁ! 素敵な表紙ね!」「楽しみね!」と、できるだけ多くの良いところを見つけて、その本を選んだ子供をまるごと「肯定」してください。子供はそれだけで自信を付けます。嬉しい気持ちになり、やる気になります。
本を選ぶ時の、ママのNGワード
「えー、そんな本読むの?」
「ちゃんと最後まで読めるの?」
「どうせ途中で諦めちゃうんじゃないの?」
「あなたには難しすぎるんじゃないの?」
「あなたには易しすぎるんじゃないの?」
「もう少しちゃんとした本選びなさいよ」
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第2回:そうだ、本屋へ行こう!
課題図書か、自由図書かについても書いています。
本を読み、自分の心が動いたところに付箋紙を貼っていってください。
「ああ、分かる!」「へーそうなんだ!」「わ、びっくりした!」「最高!」など心が動いたところです。また「なんで? なんでそうなるの?」「信じられない!」「無茶だ!」「ひどい!」そういうマイナスイメージでもOK。
その時に、付箋紙にちょっとメモをしていくと、あとで便利です。また、ぐんぐん引き込まれている時は、何も書かなくても構いません。とりあえず、付箋紙だけ貼りましょう。
ひと通り読み終えたら、もう一度、付箋が貼ってあるページだけを読み返します。その際、付箋紙にページ数を振ってくださいね。
読み返してみると、付箋を貼った時には気がつかなかった思いがあるかもしれません。その思いも付箋紙にメモしておきましょう。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第3回:読書感想文を前提にした本の読み進め方
2. 心が動いた文やシーンがあるページに付箋を貼る
本を読み、自分の心が動いたところに付箋紙を貼っていってください。
「ああ、分かる!」「へーそうなんだ!」「わ、びっくりした!」「最高!」など心が動いたところです。また「なんで? なんでそうなるの?」「信じられない!」「無茶だ!」「ひどい!」そういうマイナスイメージでもOK。
その時に、付箋紙にちょっとメモをしていくと、あとで便利です。また、ぐんぐん引き込まれている時は、何も書かなくても構いません。とりあえず、付箋紙だけ貼りましょう。
ひと通り読み終えたら、もう一度、付箋が貼ってあるページだけを読み返します。その際、付箋紙にページ数を振ってくださいね。
読み返してみると、付箋を貼った時には気がつかなかった思いがあるかもしれません。その思いも付箋紙にメモしておきましょう。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第3回:読書感想文を前提にした本の読み進め方
具体的な付箋紙の貼り方についてもアドバイスしています。
「なぜ、ここで感動したのだろう」
「どうして、そこが気になるのだろう」
「もし自分だったらどうするかな」
「もし、魔法でストーリーを変えられるとしたら、どうしたいかな」
「どうして付箋に○○と書いてあるのかな」
そういうことを親子で話し合っていきます。
自分の心と対話する時間、内省の時間になります。高学年の場合は、自分で自問自答できると思います。
コツは、問い詰めないこと! ぜひ、お子さんの声に素直に耳を傾け、驚き、笑い、時には泣いて、会話を楽しんでください。
読書感想文にするための会話ですから、メモを取るのを忘れずに。自力でメモが取れる年齢のお子さんは、メモを取らせてみてください。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第4回:自分と向き合う時間にこそ読書の意味がある
3. 質問シートを作る・答える
「なぜ、ここで感動したのだろう」
「どうして、そこが気になるのだろう」
「もし自分だったらどうするかな」
「もし、魔法でストーリーを変えられるとしたら、どうしたいかな」
「どうして付箋に○○と書いてあるのかな」
そういうことを親子で話し合っていきます。
自分の心と対話する時間、内省の時間になります。高学年の場合は、自分で自問自答できると思います。
コツは、問い詰めないこと! ぜひ、お子さんの声に素直に耳を傾け、驚き、笑い、時には泣いて、会話を楽しんでください。
読書感想文にするための会話ですから、メモを取るのを忘れずに。自力でメモが取れる年齢のお子さんは、メモを取らせてみてください。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第4回:自分と向き合う時間にこそ読書の意味がある
メモのコツ、保護者のエピソードなども書いています。
3で会話をした問いと、子どもが答えたものをセットにして、簡単な文にします。文を組み立てていく過程でも、思いついたこと、気がついたことがあれば、残します。その際、自分も同じ体験があるものは、特に重要です。その体験について、いつ、どこで、起きたことなのか、どのような点が同じ体験だったのかについても、文にしましょう。
書くうちに、どうしてそのシーンに感動したのかも分かってきます。新しい気づきがあれば、それも文にしておきましょう。そう、感動したシーンには意味があります。解決できない問題が潜んでいる場合もあります。先送りにした感情、蓋をした気持ちなどがある場合が多いことがあります。時間をかけて、言葉を生み出しましょう。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第5回:質問と答えをセットにしてみよう
4. 近い内容をまとめて文にする
3で会話をした問いと、子どもが答えたものをセットにして、簡単な文にします。文を組み立てていく過程でも、思いついたこと、気がついたことがあれば、残します。その際、自分も同じ体験があるものは、特に重要です。その体験について、いつ、どこで、起きたことなのか、どのような点が同じ体験だったのかについても、文にしましょう。
書くうちに、どうしてそのシーンに感動したのかも分かってきます。新しい気づきがあれば、それも文にしておきましょう。そう、感動したシーンには意味があります。解決できない問題が潜んでいる場合もあります。先送りにした感情、蓋をした気持ちなどがある場合が多いことがあります。時間をかけて、言葉を生み出しましょう。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第5回:質問と答えをセットにしてみよう
具体的な例を挙げて説明しています。
さあ、文がいくつもできましたね。まずは、その中から結論を先に見つけましょう。本の結論じゃないですよ。子どもの感想の結論です。キーワードを参考に、結論になる文を先に書きます。新聞でも、雑誌でも、ブログでも、最近は結論を先に書くのが主流です。いわゆる「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおったとな」というような、背景、状況説明はじれったいと感じるようです。結論はもったいぶらずに、先に書いてしまうのがいいと感じます。また、結論を先に書く方法だと、あとに熱量が続きやすくなります。
他の文の中で要らない文を捨てます。「すべては結論の為に」これがポイントです。結論を支えることを考えた時に、ひとつも足りない文章がないように。ひとつも余計な文章がないようにします。子どもには難しいかも知れませんが、簡単に言うと「結論に必要な要素を忘れないこと。結論に関係ないことは書かないこと」です。いらない文を捨てると、文字数が少なくなる場合があります。
添削とは、添えて削ること。もちろん削って添えることも添削です。
いらないものを捨てた結果、文章の総量が少なくなってしまった場合は、残った文章を肉付けする方法をとります。つまり、総文章量をかせぐ為に、ダラダラと不要なことを書き足すよりは、いらないものを捨てて、大事なポイントを詳しく書き増していった方がいいのです。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第6回:やっと国語教師の出番です
5. 組み立てて、書いてみる
さあ、文がいくつもできましたね。まずは、その中から結論を先に見つけましょう。本の結論じゃないですよ。子どもの感想の結論です。キーワードを参考に、結論になる文を先に書きます。新聞でも、雑誌でも、ブログでも、最近は結論を先に書くのが主流です。いわゆる「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおったとな」というような、背景、状況説明はじれったいと感じるようです。結論はもったいぶらずに、先に書いてしまうのがいいと感じます。また、結論を先に書く方法だと、あとに熱量が続きやすくなります。
他の文の中で要らない文を捨てます。「すべては結論の為に」これがポイントです。結論を支えることを考えた時に、ひとつも足りない文章がないように。ひとつも余計な文章がないようにします。子どもには難しいかも知れませんが、簡単に言うと「結論に必要な要素を忘れないこと。結論に関係ないことは書かないこと」です。いらない文を捨てると、文字数が少なくなる場合があります。
添削とは、添えて削ること。もちろん削って添えることも添削です。
いらないものを捨てた結果、文章の総量が少なくなってしまった場合は、残った文章を肉付けする方法をとります。つまり、総文章量をかせぐ為に、ダラダラと不要なことを書き足すよりは、いらないものを捨てて、大事なポイントを詳しく書き増していった方がいいのです。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第6回:やっと国語教師の出番です
ここでも具体的な例を使って説明しています。
添削、そして推敲をする時に、どのようにしたら自分の文章の誤りに気づけるでしょうか。
それは、他人の目を持つ、耳を持つことです。
■他人の目を持つ。
まず、時間を置くことが大事。一晩置いてみましょう。ぐっすり寝て、朝ごはんをしっかり食べて、スッキリした頭で自分の書いた文を読んでみましょう。熱中していた時には気づかなかったことにも気づきます。誤字脱字、語順だけでなく、表現を工夫したら良いところ、もっと強調したらいいところなどが浮かぶようになります。
■他人の耳を持つ。
もっと良い方法が、他人の耳を持つことです。そのために役立つのが音読です。
このように、時間を置いて、声に出して読んでみて、気づくことがあれば、赤ペンで書いていきます。また、文章全体を「俯瞰して見る」こと。例えば、最初に結論、次に理由、次に体験、そんな構造になっているなーなど、上から眺める感じでそれが分かればOKです。
そして書き上がったらお子さんを褒めてください! 完成した文を話題に、食事の度に、ことあるごとに、特にそばに居なかったお父さんや祖父母の前で「よくがんばったよね」と褒めてあげてください。「もういいよ」と子どもが照れるまで。「僕って天才?」と調子に乗るまで。頑張ったことを称えてあげてください。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第7回:推敲の仕方
6. 時間を置いて、見直し、書き直す
添削、そして推敲をする時に、どのようにしたら自分の文章の誤りに気づけるでしょうか。
それは、他人の目を持つ、耳を持つことです。
■他人の目を持つ。
まず、時間を置くことが大事。一晩置いてみましょう。ぐっすり寝て、朝ごはんをしっかり食べて、スッキリした頭で自分の書いた文を読んでみましょう。熱中していた時には気づかなかったことにも気づきます。誤字脱字、語順だけでなく、表現を工夫したら良いところ、もっと強調したらいいところなどが浮かぶようになります。
■他人の耳を持つ。
もっと良い方法が、他人の耳を持つことです。そのために役立つのが音読です。
このように、時間を置いて、声に出して読んでみて、気づくことがあれば、赤ペンで書いていきます。また、文章全体を「俯瞰して見る」こと。例えば、最初に結論、次に理由、次に体験、そんな構造になっているなーなど、上から眺める感じでそれが分かればOKです。
そして書き上がったらお子さんを褒めてください! 完成した文を話題に、食事の度に、ことあるごとに、特にそばに居なかったお父さんや祖父母の前で「よくがんばったよね」と褒めてあげてください。「もういいよ」と子どもが照れるまで。「僕って天才?」と調子に乗るまで。頑張ったことを称えてあげてください。
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【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第7回:推敲の仕方
推敲の仕方を解説しています。
これで読書感想文は完成なのですが、もし、時間的に余裕があれば、学校の先生や、私のような作文教室などの先生に一度見てもらうことをオススメします。プロの人のアドバイスには、価値があります。サッカーでも、ピアノでも、バレエでも、なんでもそうですよね?
国語って、日本語なので、親でもできそうな気がしますが、作文指導にもプロがいるんです。歩き方でも掃除の仕方でも、何でもそうですが、それくらいできる!それくらい親が教えられる!と思うことほど、プロの指導を。餅は餅屋ですね。
私も色々なところで読書感想文講座を開いています。
子どもが仕上げた先、ちゃんと添削してほしい、これでよいのか見てほしい、または「表現方法」についてまで勉強したい、もっと作文が上手になりたい!と思ったら、是非いらしてください。
そのあとは?
これで読書感想文は完成なのですが、もし、時間的に余裕があれば、学校の先生や、私のような作文教室などの先生に一度見てもらうことをオススメします。プロの人のアドバイスには、価値があります。サッカーでも、ピアノでも、バレエでも、なんでもそうですよね?
国語って、日本語なので、親でもできそうな気がしますが、作文指導にもプロがいるんです。歩き方でも掃除の仕方でも、何でもそうですが、それくらいできる!それくらい親が教えられる!と思うことほど、プロの指導を。餅は餅屋ですね。
私も色々なところで読書感想文講座を開いています。
子どもが仕上げた先、ちゃんと添削してほしい、これでよいのか見てほしい、または「表現方法」についてまで勉強したい、もっと作文が上手になりたい!と思ったら、是非いらしてください。
「かきまくれっ!こくごトレーニングペーパー」で
また、私の小学生向け国語講座「かきまくれっ!こくごトレーニングペーパー」に入会すれば、インターネットによる指導が受講できます。入会料は無料です。
小1・小2 3,000円
小3・小4 4,000円
小5・小6 5,000円
です。
結局読書感想文って何なの?
さいごに。
昨年、こどもまなび☆ラボさんに寄稿したコラムですが、第1回と最終回のコラムも読んでみてくださいね。「読書感想文」とは結局何なのかについて、魂込めて書きました。
【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第1回:夏休みのラスボス、読書感想文
【親子でとりくむ読書感想文 書き方レッスン】第8回:ようこそ内省の世界へ
では、良い夏を~☆
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