親子関係を見直す読書感想文講座
2020年7月9日
夏休みのラスボス、読書感想文
いやでいやで最後まで残し、結局、ゆとりも何もない夏休みの最終日に、親子でけんかしながら取り組む。
こんな思い出で、子どもが読書感想文が好きになるわけないじゃないですか。じゃあなんでこりずに、毎年夏休みの宿題にするんでしょうね。
めんどくさい
もし、読書感想文が「かんたん」だったら、誰も文句は言いませんよね。そう読書感想文って大変なんです。だから、夏休みにって思ったんでしょうか? でも夏休みじゃ、学校で指導できないじゃないですか。結果、家庭に丸投げ→保護者が怒る→ますます嫌われる、のパターン。ふう。どこかでこの連鎖止めなくちゃですよね。
書きっぱなしになっている
コンクールなので、学年で1,2名が選出されます。その子たちは添削指導を受ける場合もありますが、残りの何十人は「書きっぱなし」状態です。ここが良かったね、くらいのアドバイスを受けるだけ。
習ってない
学校では読書感想文の書き方は教えません。原稿用紙の書き方が課題本リストとともに添付資料でついてくるぐらいじゃないですか? 熱心な先生に当たればよいのですが、そこに期待するのもおかしな話。
読書感想文講座では
読書感想文講座を開いています。本来、読書感想文というのは、素晴らしい教材なんです。
自分の思考と感情を言葉にして伝える
これは、中学でも高校でも、大学でも就職でも、仕事でも恋愛でも、そう人生で大事な技術。もちろん、思考と感情の「表現方法」は自由です。音楽でもダンスでも絵でもなんでもいい。ただ一般の人は「言葉」で伝える機会がだんぜん多いはず。その練習、良い機会だと捉えられたら素敵なのにと思います。
読書感想文の書き方講座じゃなかった!
こんな感想が多い私の「読書感想文講座」
それは、読書感想文を親子で取り組むたった一つのコツについて、繰り返し繰り返し話すからです。それは
こどものすることを否定しない
それだけ。
- 子どもの選んだ本を否定しない
- 子どもの選んだシーンを否定しない
- 子どもの感想を否定しない
あらゆるシーンで、です。
- 子どもが(あなたから見て)くだらない本を選んでも否定しない
- 子どもが(あなたから見て)想定しないシーンを選んでも否定しない
- 子どもが(あなたから見て)意外な感想を述べても否定しない
その繰り返しです。実はそれは、子育てのコツでもあります。だから、講座の感想がこんな感じ。一部文章を変えています。
- 子育てにおける自分自身の「~べき」思考が子どもの個性を興味をつぶしているとガッカリしました。伝え方はマイルドでも、本人を傷つけていたでしょう。今後、感想文のみならず、子育て全体に活かそうと思います。
- 子どもの感情を言葉で紡ぎだすための環境づくりが、いかに大切かが身に染みてわかりました。親の誘導、子どもの否定など、今まで真逆のやり方をしていました。これまでやっつけ仕事だった感想文でしたが、「感情表現としての言葉を表に出す」という目的ができたことで、楽しく取り組めそうです。
- 「子どもの考えを否定しない」何度も言われていること。改めて心に刻みました。
- 子どもが選んだ本を否定しない。子どもの感情を否定しない、と教えて頂き、ハッとしました。つい親達の考えを通しがちでした。
- 否定せず子どもの考えを受け入れることの大切さを考えさせられました。読書感想文はめんどうと思っていたが、親子のきずなを深めるものと思うようになりました。
- 大変勉強になりました。つい自分の考えをおしつけてしまい、子を否定してしまいます。大反省です。
- 「否定しない」というのは子育ての根幹だと感じました。とても私には難しいことですが、読書感想文を通して、親子関係を深めて、良い経験となるようにしていきたいです。
- 感想文の書き方を聞くのは全く初めてです。小学校でも教えてほしかった。
- 一番参考になったことは「否定しない」「丸ごと受け止める」という点でした。日頃から注意やけん制ばかりをしている私には難しいかもしれませんが、絶対に守ってやってみようと思いました。
- 読書感想文を超えて、子育てについて自分の間違いに気づくことのできた時間になりました。今までいかに子どもの自由な発想を台無しにしてきたか反省がいっぱいです。ポイントがわかりやすくまとまっていたので、すぐにでも取り入れることができそうです。
- 読書感想文を書く意味が初めて分かりました。親子の会話がとても大切なこともよくわかり、参考にして今日から気をつけたいと思います。
- 先生のお話を伺い、ついつい提出先の先生の顔色をうかがうような本選びをしていたと反省しました。息子の好きなシリーズ本でなら書けそうです!
- 良い意味で大変期待をうらぎられました。私は子どものころ国語が好きではなく、作文の書き方も教わったことがないのにどうやって感想文を書けば良いのだと思っていました。今日はテクニック的なことを聞けるのかなと思ったら、子どもへの接し方、日常の過ごし方をあらためて見直す機会にさせていただきました。いつも質問ではなく詰問になっているので。
- 子どもを否定しない……自分の生き方も振り返るきっかけでした。
私の夢は「素敵な読書感想文を書く子」を育てることではありません。参加すると、それが分かるのだと思いますが「素敵な親子関係」を作ることです。夏休みの最終日にイライラして怒鳴り散らしているママを一人でも減らすことなんです。
講演会の依頼も、メールでどうぞ。
yuka.matsu35@gmail.com