文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

ブログを書く前にこれだけは決める4つの重要事項

2017年6月4日
私はもともとブログやコラムを書く人ではなかったのですが、だんだん仕事になってきました。国語教師として気をつけていること、そして受講生に指導していることは、おそらく、全てのブロガーさんの役に立つ情報だと思い、公開してみます。簡単に言うと「誰に何をどういう順番で伝えるか決めてから書く」です。馬鹿らしいくらいに簡単でしょう?

 

で?何がいいたいの?


1 結論を決めてから書く


ブログやコラムなどの文章、そのほとんどが、読み終わったあと「で?」となるものが多いです。ただの日記になっているんです。読者の時間泥棒記事ですね。為になるならない以前の問題。何を言いたいのか分からないというものです。
私は文章指導で「20秒で語れないものを世に出すんじゃない」と言っていますが(笑)「私は○○について、○○だということを書く!」そんな宣言が20秒で言えるくらい意志が固まってから書きましょう。この意志は、付箋に書いてディスプレーの上に貼っておくといいです。目に入るので話がぶれません
そして、段落の構成、文字数、すべての文、すべての言葉が、結論の為に存在する。戦略的な脱線以外の無駄な話は一切なし。それが結論が良く伝わるようになる第一のコツです。一見無駄話に見えるものでも、あとで伏線になっていてびっくり!そんなことが話の上手な人の会話にあるときがありますよね? 落語家さんや一流のお笑い芸人の話がこれ。そんな戦略的脱線、戦略的な伏線が書けるようになるまでは、そういうことは書かない方が無難です。

 

誰に話しかけているの?


2 相手を決めてから書く


全世界の人に共感してもらおうなんて虫のいい話はありません。逆に、ここで一人に決めるとぐっと書きやすくなります。例えば混んだ場所で「すみませーん」と声をかけても、振り向く人はそれほどいませんが、「すみませーん、そこのメガネのお兄さん!」と声をかけると、その場にいるメガネをかけた男性ほぼ全員が顔を上げるはずです。メガネをかけた人と一緒にいる人も注目しますし、いえむしろ「何事だろう?」とその場にいる全員が顔を上げるかも知れません。ターゲットをしぼるとはそういう効果があるのです。
「40代主婦に向けて」「保育園探しをしているワーママに向けて」「子どもが朝起きなくて悩んでいるママに」「人間関係がうまくいかない会社員」そういうものでもいいんですが、できたら、身近にいる具体的な人、もしくは有名な芸能人を1人挙げて、その人に向けて書くといいと思います。とくに書くことになれていない人にはおススメの方法です。
例えば「保育園探しをしている友達の田中さん」に向けて書くと、先ほどの「メガネをかけたお兄さん」と同じ効果があります。田中さんだけでなく、田中さんと同じ状況だと感じている人が全員注目するのです。そしてその人たちから共感が得られれば、その周辺にいる人にも伝わるのです。

 

書きたい衝動で書き出して、ほら最後まで続かない、そこのあなた!


3 段落数を決めてから書く


形式は何でもいいです。とにかく行間を大きく開け、中見出しをつける段落を大切に。
形式は「はじめ、なか、おわり」でも「起承転結」でも「問題提起、結論、根拠、予想される反論とそれに対する意見、再度結論」でも何でもいいんですが、1000文字なら、結論に200文字×2、他200文字×3というところでしょうか。
つまり、こんな構成です。

  1. 問題提起 200文字

  2. 結論 200文字

  3. 根拠 200文字

  4. 予想される反論とそれに対する意見 200文字

  5. 再度結論 200文字


そして、それぞれに対し、20秒で段落内容を言えるようにしておきましょう。20秒で言えないものを世に出すんじゃない!(笑)
ここまで作ってから、それから、各結論を膨らませて文章を書くのです。そうすれば全く話がぶれませんし、最後まで同じ力加減で書くことが出来ます。
校正する時に文章の位置を変える場合は、絶対に段落を越境しないということが大切です。段落には壁があると思ってください。もし、移動する場合は、段落ごと大移動です。
例えば急に(4)の反論から書き出すと、斬新なスタイルのかっこいい文章になります。
この段落数を決めることをしないとどうなるか? つまり、ただただ書き出した場合です。
はい。たいていは頭でっかち尻つぼみ、最初だけ威勢が良かったのに、最後はなんだかとってつけたように「楽しかったです」とまるで小学生の遠足の作文のような状態に。
大きな結論が複数出てきた場合には、文章を分けた方がいいです。
とにかく、一文章に一結論。各段落にも一結論です。
あ、文章力に変な自信がある人はぬら~と書き出して大丈夫です。なんとか収束させられる人もいます。後片付けが上手い人です。または不時着の上手な人(笑)
それ以上の人、本当の文章力がめちゃくちゃある人、つまりプロの人、賞を取るほどの作家さんほど、構成をきちんとしてから書くと思います。
一部の芸術家さんは分かりませんが、その域を目指す人であっても、まずは「型」です。型が自由に操れるほど上達したら「守」を卒業し「破」「離」の域に行きましょう。

 

結論を最初に言わないのは推理小説だけ


4 最初の3行に命をかける


タイトルの次に、最初の3行に命をかけてください。例えば100冊の本の背表紙(ブログタイトルのこと)が並ぶ中、3万人の人間が自分の本(ブログ)を手に取ったとします。最初の3行を読んで、この本(ブログ)を読むかどうか2,3秒で決めるんだそうです。
それなのに、季節の挨拶やブログの紹介なんかが書いてあるのは論外。あ、そういう内容の記事ならOKですよ。歳時記とかね。
こつはいろいろあるんですが、私の感触としては、とにかく読者に「自分のことが書いてある!」と思わせることです。だからターゲットが大切なんですね。ターゲットをしぼっていないと自己紹介などの無難なスタートになり、結局お客さんに逃げられちゃうんです。エレベータの中のプレゼン、エレベータピッチだと思ってください。20秒で自分の主張をするんです。
ですから、私は結論を最初に書くことを強くお薦めしています。え?先に結論を書くなんてもったいなくない?と思ったあなた。私もそうでした(笑)
今の読者はちょっとせっかちだと思います。まず結論を知りたい。で、知った上でその先を読むかどうか決める。そういう順番になっているようです。
だから、今必要なのは、「結論をひっぱって、それまでに相手を惹きつけ離脱させない力」ではなく、「結論がパッと分かって、理由を知りたい!もっと読みたい!と思った読者を最後まで引っ張る力」です。時代は変わりましたね。
結論を明かさずに最後までひっぱっていけるのは、結論まで読者を逃さないような「文才」のある人だけです。
あ、推理小説は別ですよ(笑)

 

国語の先生ってそういうことも知ってるんですね


最近、受講生に言われた言葉です。私はブロガーではありませんが、作文や小論文の指導を通じて「人に伝わる」そしてワンランク上の「人を動かす」(カーネギーかっ)文章を書く秘訣は知っています。子どもたちに教えてきましたからね。その方法が大人の文章にも使えるんだということを、2年前くらいに知りました。人間同じことを何年も悩んでいるのだなと思います。そういう人達を一人でも助けてあげたいと思っています。この方法を読んだ人はもう大丈夫でしょうか。ま、まずは試してみてください。書くことが楽に、そして楽しくなります。

 
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