要約すると「楽しかった」になる残念なブログ
2017年3月30日
なぜ普通の人のブログがつまらないのか
私の受講生は、大人の人ではブログを書いている方が多いです。個人授業となると、ブログ記事の書き方の指導がほとんどです。また、友人でもブログを書いている人が多く、FacebookやTwitterではその人達のブログ更新のお知らせが流れてきますし、友人のシェア先にもブログ記事が多いです。自分もこうしてブログを書いているので、参考にと一日に20~30のブログ記事に目を通しますが、そのほとんどが最初の1分で離脱したい衝動にかられるほど面白くないものです。
自分の記事がそうでないことを願いつつ(笑)勉強になるからと、私は離脱せずに踏みとどまり「このブログの何がつまらないのか」を日々考察しています。国語教師として分析をしているのです。
入試の作文も最初の数行で合否が分かる
これは、小学生の作文でも言えることで、最初の3~4行で「あちゃー、だめだこりゃ」となります。安心してください、そういう子も見捨てないで指導するのが私の仕事です。
さて、入学試験の採点者が数秒で合否を決めるという噂話がありますが、私は当然そうだろうと思います。雑誌でも本でもそうですよね。初めから数行を読んだだけで、その先を読むかどうか決めているのと同じように、ブログも数行で運命が決まります。では、最初だけ盛れば良いのかというとそういう問題でもありません。盛りすぎて書き出しても、少し読み進めればボロが出ますし、読み続けようと決心した分、そういうブログは後半になればなるほどしんどくなってきます。
写真十枚、文字数行
写真のブログならもちろんこれで大丈夫です。そういうコンセプトで作っていて、なおかつ写真に価値があるならOKという意味です。いわゆる写真集タイプのブログ。
ところが、セミナー体験記なのに、写真を使った思いでアルバムになってしまっている人がいます。
例
今日は○○のセミナーに行ってきました!楽しかったのでシェアします!
(ここでセミナーに興味のない人が離脱)
場所はココ!
【場所の写真】
入り口にはこんなオブジェがお出迎え♪
【入り口にあった置物の写真】
会場はこんな感じ。テンション上がる~♪
【会場内部の様子】
さあ、セミナー開始です。ドキドキ
【セミナー資料とスタバのコーヒーの写真】
*セミナー中は撮影禁止なので文章
講演者の言葉をたっぷり引用(ライセンス注意)
キーワードトップ3を使ってセミナーの感想を数行
「感動しました」「心に刺さりました」「目から鱗」
勉強したらお腹が空いたので、駅近くのこんなお店へ
【オイスターと白ワインの写真】
こんなところでしょうか。最後に行った店まで載せるブログはかなり多く、何か型があるのかな?と思うくらい共通です。
アイドルや有名人ならこんな感じのブログでもOKです。「この子が美味しいと言う店はどんな店でも見たい」「この人が『刺さった』というくらいなら相当価値があったんだろう」と思えますからね。
リンク集タイプ
書評ブログに多いのが、リンク集タイプです。
紹介した本だけならまだしも、関連本、著者が出した他の本なども紹介しています。
たいしたエッセンスを語っていないのに、
「こんなエッセンスが好きならこんな本もオススメです」と書くのも
著者のライフワークを読み取っていないのに、
「○○さんの世界へどうぞ~」と書くのも、私はどうかと思います。
まして、新しくウィンドウを開く設定にしていない場合は、そこからユーザーがAmazon川に流れて行ってしまいますしね。
関連本を探すのなら、それこそAmazonが最適です。ユーザーの嗜好を読んで紹介してくれます。
書評はリンク集にせず、本から何を感じたのか、自分はこれからどうするのか、またはどうしたのか、もっと本文に時間も文字数も割いた方がいいと思います。
AIに取って代わられる記事をブログにしない。
これは、私の昨日のブログ記事を、『一太郎』を使って28%に要約させたもの。まったく頭の良いツールです。どんな言葉を拾って人は要約をしているのかがよく見えます。これを逆手にとってブログ記事を書き直すという使い方もできます。
そもそも、セミナーの感想は、議事録になってはいけないのです。それだったら、講義を録音し、音声認識で文字起こしして、AIに要約させたものが優秀です。そのうちそういうものを買うようになるのだと思います。
つまり、せっかく人間が書いているのに、AIの方が優秀な議事録、いえブログなんて書かない方がいいのです。
セミナーは生が一番です。お金を出せばその時撮影した動画が買えるものもあります。ではなぜ私たちはセミナーに行った人のブログを読むのでしょう。それは、そこで何があったか知りたい以上に、行った人に何か変化が起きたのか、つまりそのセミナーには行く価値があったのか知りたいのではありませんか?
100人行ったら100通りの感想があります。もし、その中に、憧れの先輩がいて、その人がセミナーの感想を書いたと言ったら、その先輩の記事だけは読みたいですよね?
そういうことです。つまり、あなたを通じて、あなたが消化したセミナーの内容を書けば良いんです。
そうすると、写真もリンクもその為だけに存在するべきで、ましてや、スタバのコーヒーやセミナー後のオイスターも要らないのです。
コンテンツは価値あり。あとは文章表現力!
私が手がけているのは、コンテンツの充実している人の文章力養成です。
体験していることが凄いのに、それを文章にした途端、トーンダウンしたり価値が減ったりするタイプの人がいます。そういう人たちの手助けをしています。
言い換えてみれば、文章のハウツーはその段階から必要になるもので、何を語るかはそれ以前の問題なのかもしれません。
ここでも子どもに対するアドバイスが大人にも効きます。
「何を伝えるかを意識しながら体験をする」です。
これについては明日。