文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

中学入学準備で本当に大事なのは、先に進むことじゃない

2026年3月1日
中学入試が終わり、進学先が決まったご家庭も多いことと思います。
志望校に合格した子、惜しくも不合格だった子、いろいろですね。
不合格だったお子さんの中には、すでに前を向いている子もいれば、まだ落ち込んでいる子もいるでしょう。
本当に小さな体で大きなストレスを抱えました。まずは、ここまでよく頑張りました、と伝えたいと思います。

かなり昔の話ですが、わが子も第一志望に届きませんでした。
負けず嫌いな性格でしたので、その悔しさから春休みは英語と数学の先取り塾へ通いました。
今振り返れば、それは「勉強したい」という前向きな動機というより、「取り戻したい」という感情だったのだと思います。

けれども新学期が始まると、学校生活が楽しくなり、その塾はやめました。
その後、その学校に高校まで通い、希望する大学へ進学し、社会人として自分の道を歩んでいます。

こう書くと、「結果的にうまくいった」と見えるかもしれません。しかし、私はあのときの自分の判断にひとつ後悔があります。

国語の話をしてあげられなかったことです。

英語や数学の先取りは成果が見えやすいものです。
進度がはっきりしています。
一方で、問題文を正確に読む力や、自分の考えを言葉にする力は、目に見えにくく、すぐには結果が出ません。
だからこそ、親として焦りやすい時期に、その重要性を伝えきれなかったのです。

今ならはっきり言えます。中学のスタートで本当に必要なのは、進度ではなく「考えるための言葉」です。
あの経験を経て、私はその後、「先に進めること」よりも「言葉の土台を整えること」を軸に指導してきました。

英語や数学を少し先取りすると、最初は「できる気」になります。
しかしそれは、二か月分ほど位置が前にあるだけです。定期テストが始まれば、範囲は指定され、全員が同じラインに立ちます。



一方で、中学では教科書も問題文も一気に抽象度が上がります。

・問題文が長くなる
・言い回しが難しくなる
・自分の言葉で説明させられる

こうした変化に慣れている子は、大きく崩れません。

差がつくのは、進度ではなく、読める力・考えられる力です。

「作者の考えを踏まえて述べよ」
「理由を挙げて説明せよ」
——英語や数学以前に、日本語で思考する力が問われます。
ここで戸惑わないことが、その後の安定につながります。

逆に、
・問題の意味がつかめない
・何を書けばよいか分からない
・考えているのに言葉にならない

この状態のまま進むと、どの教科でもつまずきやすくなります。

だからこそ、中学準備で大切なのは、先に進むことではなく、立ち止まって言葉の土台を整えることなのです。

「もう遅いかも」と思うタイミングからでも、読む力・書く力は育て直せます。

私の講座では、小学生から高校生まで、それぞれの現在地から、読む力・書く力を整える指導を行っています。
学年に関係なく、その子のつまずきに向き合います。急がせることはありません。しかし、曖昧なままにもさせません。

この春、進むことに目が向きがちな時期だからこそ、「整える」という選択肢もあることを知っていただけたらと思います。


お問い合わせ