文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

親の先回りは子どもの成長を妨げる

2017年3月28日
子どものためと思い「それはこうした方が上手にできるのよ」と言った瞬間、子どもから取り上げているものがあります。国語力に限らず、子どもの学力を伸ばす方法、更に言えば子どもの才能や根源にある生きる力というものを育てる究極の方法は、「子どもを信じてまかせること」です。

 

親はほんの少し先に生まれてきただけ


親は子どもより先輩です。人生の先輩。先に生まれていますからね。
ですから、子どもよりも少しだけ色々なことを知っています。
イライラした時の気持ちの沈め方、けんかをした時の仲直りの仕方、忘れ物をふせぐ方法等々。
自分がそれをどうやって体得したかということをすっかり忘れて、子どもにこう言うのです。
「やめなさい。ものに当たったってイライラは増えるだけでしょ」
「今度会った時にごめんねって言えばいいじゃない」
「明日の準備してから寝なさい」
こんなふうに、子どもが何かミスをした時や、問題をかかえている時に、親が「こうすれば良い」というアドバイスを最初にしてしまうこと、シナリオまで書いてしまうこと、それを子どもの意見も聞かずに、最後の最後までとことん押しつけてしまうことが、子どもの成長をさまたげるのだと思います。

 

知識と経験


大人は今まで生きてきた経験から、何か問題が起こった時、例え経験したことがないことであったとしても、どうしたら問題が解決するかという方向性は、だいたいわかりますよね。
それは、今までの人生でさまざまなトラブルを経験し、いろいろな解決方法を試み、その中でもうまくいったこと、うまくいかなかったこと、いろいろあって、分かってきたことですよね。
つまり、自ら色々経験した中で得たものですよね。
子どもにもそれを経験させることが大切です。

頭で聞いて理解してわかったこと、これは知識。
実際に行動して苦労してわかったこと、これは経験です。
知識と経験、両方大切なのですが、経験の方を親が取り上げてしまっていることが多いように感じます。

子どもにとっても経験は大切


イライラしてたまらない。物に当たってはいけないのは分かっている。でも止まらない。
友達とけんかして悲しい、つらい、苦しい、さみしい、でも仲直りしたい、どうしよう。
忘れ物をして先生に叱られた。本当に僕は忘れん坊だ。このままじゃいけない。どうしたらいいんだろう。
子ども自身が、そんなふうにぐちゃぐちゃ悩む時間を取り上げてはいけません。

例えば、仲直りの方法がわからないような、本当に小さい子は話が別ですが、小学生以上は、親が仲直りの機会までセッティングする必要はありません。

他にも、問題がわからなくていらいらする、勉強したのにちっとも成績が上がらない、友達の方が伸びてきて悔しい、焦る。
そんな勉強に関する悩みも、それらの感情を味わう経験を取り上げてはいけません。

こうすればいいと思うというアドバイスは、子どもが求めてきた時だけすれば良いと思うのです。

 

子どもが問題を抱えている時の親の役目とは


そのためには「子どもを信じてまかせる」ことができるかどうかにかかっています。
子どもを信じて、成長を願い、そっと見守ること。
わかります、わかります、これがなかなかできないのですよね。
でも、もし機会があれば、子どもを信じてまかせることに、ちょっと挑戦してみてください。
大きな成果を感じると思います。
「教えた」ではなく「育てた」という感覚を味わうのです。
もちろん、いざという時のために、フォローの準備をしておくことは親として必要かと思いますが、その準備したものが無駄になるということは、子どもが自分で苦難を乗り越えたという証です。
親がこっそり準備したものが役に立たない。その時こそ、親として役目を果たした時なのです。

 

もうすぐ新学期。子どもの進学、進級により、家族生活パターンが変わる方もいると思います。
子どもは変化に対する対応能力に優れていますが、思っている以上にストレスを感じていますので、
小さい子はスキンシップを、大きい子は声かけを多くして、気をつけてあげてくださいね。
そして親も子どもと一緒に進級したと思って、一緒にがんばりましょう。
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