文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

脳の刃を研ぐ

2023年1月8日
みなさん、明けましておめでとうございます。
ゆか先生です。

新年初めのブログは、1月2日にLINEメルマガで書いたことを、もう少し詳しく書いてみます。
中高生コースの生徒に、よく話している「歯を研げ」という複利の話です。

木を切り、生計を立てている木こりのAさん。1日に作業ができる時間は最大5時間です。
今のところ、1本切るのにAさんの斧では1時間かかります。
そして、伐採した木は、地元の卸しに1本千円で売れます。
単純に考えると、木こりのAさんは、1日最大5千円の稼ぎです。

そこで生徒たちに聞きます。
「一生、1日5千円でいいかな? 」
まあ、子どもの感覚だと1日5千円、1か月15万は大金持ちですよね(笑)
そこで、家賃と光熱費と保険と年金と食費で、1か月15万かかると説明します。
そすると「え、何もできない……」となります。

実は会社員やパート労働はこの考えです。月に稼ぐ金額には上限があります。
もちろん、会社員やパート労働者には、保険と年金に関しては自営業よりメリットがありますので、
いちがいにどちらが良いとは言えませんが、ここでは時間をお金に替えるだけの仕事をし続けるかどうかという話です。

さすが、カキマクルの生徒です。
「友だちと協力する」
「コツコツ貯金をしてチェーンソーを買う」
と、なかなか良いアイディアも出てきます。

変わって木こりBさんは、毎日5時間働くAさんとは異なり、1時間を刃を研ぐ時間に充てます。
文字通り斧の刃を、1時間かけて研ぐわけです。

労働時間が減り一瞬赤字になります。
しかし、研いだ刃で木を切ると、1日6本切れるようになり、単純計算で1.2倍の収入になりました。

私は生徒に「脳の刃を研げ」と言います。
読書です。
本を読んで他者の知恵を借りろということですね。
本には、自分の頭では出せない知恵が書いてあります。
自分が一生かかっても体験できないことが書いてあります。

友だちと協力するのも悪くないんですが、
三人寄れば文殊の知恵というのは「凡人」3人じゃないらしいです(笑)
本には、同じことで悩んだ先人、しかも優秀な先人の知恵があります。

余裕ができた木こりのBさん、6本切れるのに、5本にとどめて、1本分の労働時間を読書に充てます。
本は1冊千円くらいするので、その分赤字になります。
しかし本ほどコスパの良いものはこの世にありません。
千円のご飯は食べて終わり、せいぜい「美味しかった記憶」くらいにしかなりませんが、
千円の本は千円以上の価値を、「永久に」生み続けるのです。

そして「知恵を授かった脳」で本を読むと、できることがさらに増える。
これが「知恵の複利」です。

研いだ斧を売り、ネットで事業拡大したBさんは、もう自分では木を切りません。
人を雇い、工場を作り、森を守る活動も始めます。
月15万の稼ぎから月収1億も夢じゃない。これが複利です。

脳の刃を研ぐ読書。
子どもに「読め読め」という前に、自分が読んでみるのも大切です。
子どもは、本を読むとどうなるのか、ちゃんと見ています。



お問い合わせ