文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

私のおせっかい宣言

2017年1月18日
未分類

私のおせっかい宣言


高橋恵さんについて
高橋恵さんについては、以前にもブログに書いています。
「人間たれ」
https://kakimakuru.com/blog/10431520161011

高橋さんは1942年生まれ。戦後、その日食べるものにも困るような苦しい生活を経て、短大卒業後広告代理店に勤務。結婚を機に退職した後、二人の娘さんを育てながら様々な営業に従事し、42歳で株式会社サニーサイドアップを創業。2008年にジャスダックに上場。2016年には世界のPR会社19位(国内1位)にランキングされます。2013年一般社団法人「日本おせっかい協会」を設立、現在は社会が笑顔でいっぱいになることを願い、講演活動を行っています。
私は去年10月に友人の西村さんを通じ彼女を知りました。わずか2ヶ月ちょっと前ですが、そのころの私は何かに駆り立てられるように「生涯を通じてすべきこと、私にしか出来ないことは何か」というものを探しに出る旅に出発したところでした。おそらく、6月に50歳を迎え、人生折り返したのだと覚悟が決まった頃だったのでしょう(笑)
色々な本やイベントを通じて「私が社会にお返しできること」を模索し出しました。いったんそういうモードになると、手に取る本全てが、答えを教えてくれている気がしてならないのです。そして、まだ明確な答えは得られていませんが、どうやら彼女の周りにヒントがある、そう思えてならなかったのです。
なので、その西村さんから「ねえ1月に高橋さんの家に行くイベントを立てようと思うんだけど、来る?」と聞かれた時に、二つ返事で参加を決めました。
色々なことを思いながらお話を伺ったのですが、今日はその中から二つのお話をピックアップし、最後に「わたしにできるおせっかい」の草案を発表したいと思います。

 

一家心中を止めた一通の手紙


高橋さんは子どもの時に戦争を経験し、お父様も戦死されました。お母様は娘三人を女手一つで育てますが、あの戦後、どうにも生きて行かれません。今日食べるお米さえ不自由したということです。いよいよ心中を覚悟したのでしょう。
お母様は「お父ちゃんに会いに行こうか」と切り出したのだそうです。
その時、玄関に1枚の紙切れが挟まっていることに気がつきます。
高橋さんのご家族の様子が変だと気づいたご近所さんからの手紙でした。
「どうか希望を失わないで下さい。あなたには3つの太陽があるじゃないですか」
3つの太陽とは、高橋さんの姉妹のことです。
この手紙に救われ、高橋さんの家族は生きられたというお話をしてくださいました。
著書『笑う人には福来たる』にも書いてあるお話です。
私は、周りで元気がない人がいた時、友達でもないのにこんな手紙が書けるか自問しました。迷惑がられやしないか、変な人だと思われやしないか、私はそれが気になって行動できないかもしれないと感じます。恥ずかしい話です。
でも、小さなことならできているなとも思いました。子供会や自治会でよそのお子さんと一緒に遊ぶ、お年寄りや妊婦さんに席を譲る、駅などで困っている人に声をかけるなどです。先週は、バギーで赤ちゃんが寝てしまったママと一緒に、駅の階段を、バギーを担いで上りました。それ以来肩がとても痛いのですが(笑)
そんな私にも出来ることを少しずつ広げていったら、そのうちどんなおせっかいでもできるようになるかもしれないと想像して、少し安心しました。

 

天知る地知る我知る


中学生になった高橋さんは、親戚の家に居候します。『火垂るの墓』のような居候生活だったそうです。後に和解するのですが、そこのおばあさんに、とても厳しくされたそうです。「卑しい子だ」と言われるので、食べ物も我慢したそうです。家事であかぎれた手をしていると「嫌味な子だ」とも言われたそうです。そこの家では犬を飼っており、高橋さんはろくに食事を取れていないのに、その犬は一日にえさと牛乳を2本も飲んでいて、しかも、その餌をやる役目を高橋さんがしていたということ。涙なくしては聞けません。ある日犬にやる牛乳を眺め「飲みたい。ほんの一口だけ……」と思ってしまったそうです。その時、高橋さんのお母様がよく話して聞かせていた言葉「天知る地知る我知る」という言葉を思い出し、その行為を止めることができたそうです。
「天知る地知る我知る」は中国の言葉ですが「悪いことをしても、天が見ているよ、地が見ているよ、そして何より自分自身が見ている」という意味です。いつも聞いていたこの尊い戒めの言葉を、こんな状況で思い出せるほど、高橋さんのお母さんは語り続けていたのでしょう。
はたして私は、息子にそのような言葉を教えられたでしょうか。ふと不安になりました。「言葉は要らない。態度で示せれば」なんて格好いい言葉もありますが、私は態度でも示せていないのではないかと反省しました。今からでも遅くはないので、息子にも丁寧に、この世の大切なことを話していこうと思いました。

 

高橋さんのお話を子どもたちにもきかせたい


この日は、3人ほど男性がおりましたが、30人ほどの女性が参加。中にはお子さん連れの方もいらっしゃいました。お子さんはお母さん方とは離れて窓際に座りました。私は、キッチンが好きなので、初めキッチンのそばの椅子に座ったのですが、途中から子どもたちの間に入れてもらいました。
なんとなく、子どもたちの中の方が、居心地がいいのです。この日はあいにく高橋さんが20年ぶりに風邪をひいたとかで、声が辛そうでしたが、高橋さんの声が優しいからなのでしょうか。子どもたちが大人しくしていました。もちろん、お行儀の良いお子さんたちが多かったのでしょうけど、この子たちは直前まで私とキャーキャー言いながら一緒にポケモンGOをしていたのです(笑)
みんな静かに座っています。ただ、残念だったのが、みんな時間つぶしのグッズを持ってきていたことでした。ゲームや本などです。
私は高橋さんのまるで説法のような良いお話に感動しながら、ああ、このお話の意味を子どもたちにも伝えたいと強く感じていました。そして、ふとある「おせっかい」を思いついてしまったのです。そう、高橋さんのお話を、子ども向けに易しい言葉に直し、可愛い絵を入れて絵本にできないかしらと……。
今、高橋さんを紹介してくださった西村さんと、障害者の方の電子書籍を出すお話をしているのですが、その作業の延長で、高橋さんの絵本を出せないかと思いついたのです。
もちろん、高橋さんには許可を取らないといけないし、出版社の許可も必要でしょう。そもそも「そんなのだめよ」と言われるかもしれません。でも、なんだか、この方向に動いてみたら「たとえ目的は果たせなくても良いことがあるよ」と、誰かにささやかれているような気がしてならないのです。
今年の私は目標を立てず「ワクワクする方に動く」と決めました。本当におせっかいだとは思うのですが、きちんと企画書を立てて、高橋さんに見てもらおうかなとワクワクしているのです。
お問い合わせ