シュウイチ
文章を書く上でのきまりや、ヒントについて毎週1つずつ教えていきます。
私の課題で、学校の宿題で、どんなシーンでも良いので、まずは得た情報を使ってみましょう。使わない知識はまだ人のものです。使ってみて初めて自分のものになります。
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シュウイチ№09「『やる』禁止令」
2023年5月29日私の小学生向け講座で、「言う」以外にもう一つ禁止している言葉があります。
しれは「やる」です。
やるには様々な意味があります。
1 行かせる「使いにやる」
2 生活する「どうにかやっている」
3 相手に届くように送る「手紙をやる」
意味の一つに、「ある動作や行為をする」ということがあります。
「野球をやる」」「宿題をやる」などです。
しかし、例えばこの「野球をやる」も「野球をする」「野球の練習をする」「野球の試合をする」などに言い換えられます。
この言い換えが非常に良い訓練になりますので、今日はそれに挑戦してみましょう。
課題
「やる」を使った文を1つ作ります。
そして、その「やる」を他の言い方にしてみましょう。
例
・昨日のうちに、宿題やらないから、こんなふうに朝になってから慌てるのでしょう?
・昨日のうちに、宿題を済ませないから、こんなふうに朝になってから慌てるのでしょう?0 コメント -
シュウイチ№08「逆に」
2023年5月22日突然「逆に」という言葉で話し始めることが見受けられます。
これは、何か暗黙の了解がその場にあり、それに対する意見として話し始めるようです。
今日は、「逆に」で始まる文を書き、その場でどのようなことが暗黙の了解とされているのか分かる様子も文に書いてみましょう。
意味が分かりやすいように例を二つ書きましたが、みなさんが書くのは一例です。
例1
「逆に、俺らの方から誘わない?」
女の子に声をかけられるのをじっと待っていた男子たち。
いつまで待ってもちっとも声をかけられないので、自分たちの方から誘うことにした。
例2
「逆にご飯先にする?」
先に温泉に入る予定だった旅行客。
お風呂に行ってみたら、ものすごく混んでいた。
なので、予定と違うが、ご飯を先に食べることにした。
ただし、書く場合は、突然「逆に」から書き出してはいけません。
もし書く場合は、今回のように、背景をきちんと盛り込みましょう。0 コメント -
シュウイチ№07「『話』と『話し』の違い」
2023年5月15日「話」と書くのは、名詞の時です。
「話し」と送り仮名が付くのは、動詞の時です。
PCやスマホで文章を打つ場合には、特に注意が必要です。
漢字の部分に目が行くので、誤変換されても気づかないことが多いのです。
課題
品詞の違いに注意して、「話」と「話し」を使った文を1つずつ書いてみましょう。
例
話 ここだけの話、あの会社はもうだめらしいよ。
話し そんなこと話しちゃってだいじょうぶなの?0 コメント -
シュウイチ№06「『所』と『ところ』の使い分け」
2023年5月8日このルールは、主に、中学入試の塾業界で、受験生に向け、国語の先生が語っているものです。
日本語の正規ルールではありませんが、理に適った使い分けなので、みなさんに伝授します。
「所」と漢字で書くのは、場所です。
「ところ」とひらがなで書くのは、部分という意味が強いことです。
課題
意味の違いに注意して、「所」と「ところ」を使った文を1つずつ書いてみましょう。
例
所 ここ、北海道釧路市は、私が生まれた所です。
ところ 私は、あなたの控えめなところが大好きです。0 コメント -
シュウイチ№05「『言う』禁止令」
2023年5月1日今回のテーマは、小学生の受講生にもさんざん話していることです。
たとえばけんかのシーン。
Aくんは「なにするんだよ」と言った。
Bくんは「おまえが悪いんだろ」と言った。
Aくんは「そっちが先にやったんだろ」と言った。
Bくんは「なにをー!!」と言った。
こんなのけんかではない気がしますよね。
Aくんは「なにするんだよ」と文句をつけた。
Bくんは「おまえが悪いんだろ」とつっぱねた。
Aくんは「そっちが先にやったんだろ」とどなった。
Bくんは「なにをー!!」とさけんだ。
そろそろ先生を呼んできた方がいいかもしれません(笑)
このように言葉を工夫するだけで、状況の伝わり方は変わります。
この「言った」を工夫しましょう。
課題
「言った」を使った重文を1つ作り、他の言葉に置き換えた文を2種類書いてみましょう。
他の人の文を読み、状況がどのように違うかディスカッションしましょう。
例
私は彼女に「結婚してください」と言い、彼女は「はい」と言った。
↓
パターンA 私は彼女に「結婚してください」と懇願し、彼女は「はい」と快諾した。
パターンB 私は彼女に「結婚してください」と叫び、彼女は「はい」と口ごもった。0 コメント -
シュウイチ№04「かっこつけるな」
2023年4月24日時々、文中に( )を入れた文を見かけます。
注釈の意味があるのでしょうが、とてもくだけた感じになりますし、読み手の注意をいったんそらしてしまいます。
( )はなるべく使わないようにしたいものです。
かっこつけるな
小学生に教える時に、覚えやすいように、「かっこつけるな」と説明しています。
しかし、ただ外せば良いというものでもありません。
外すときに、工夫が必要になります。
そこで、どうしたらいいか考えることがトレーニングになります。
課題
例文のように( )を入れた文を無理矢理作りましょう。
そして、( )を上手に外してみましょう。
例
今日の朝食(寝坊をしてしまい、ほとんど昼食)は、昨日の残り物でした。
↓
寝坊をしてしまい、ほとんど昼食のようなものだったが、今日の朝食は、昨日の残り物でした。0 コメント -
シュウイチ№03「~の~の」
2023年4月17日計らずとも「の」が連続してしまうことがあります。
例
私の母の実家の隣の家は、ある芸能人の家である。
これは、話し言葉の方が不利で、手振りを交えてなんとか伝わるかもしれないという感じですね。
実際に説明するつもりで読んでみてください。
それに対し、書き言葉では、誤解することはないように思います。
しかし、音読するとしつこいし、見た目に良くない。
Word先生にも叱られます(笑)
こういう場合は、文を書き換えることにより、問題を解消します。
また、その書き換えるという行為が、文章力を付ける勉強にもなります。
先ほどの文で、書き換えに挑戦してみましょう。
解答例1
母の実家の隣には、ある芸能人が住んでいる。
解答例2
母の実家のことだが、その隣にはある芸能人が住んでいるのだ。
あいだに「、」を打つ、また、内容が変わらないレベルで、言葉を変えるのもいいですね。
では、みなさん、
「の」が4つ連続している文を1つ、無理矢理作り、
「の」が三つ以上連続しないように書き換えた文を2種類作ってください。0 コメント -
シュウイチ№02 「書いて見る?」
2023年4月10日「~してみる」は「~して見る」ではありません。
話し言葉では、漢字になっているか分からない「みる」ですが、
書き言葉で「ためしに○○する」という意味で使う場合は、ひらがなで書きます。
「食べてみる」「走ってみる」などです。
この場合の「みる」は補助動詞なのです。
そうではなく、目で見る場合、例えば「絵を見る」「テレビを見る」は「見る」です。
こちらは動詞です。
では、みなさん、動詞「見る」、補助動詞「みる」の入った文を一つずつを書いてみましょう。
補助動詞「みる」の文は、「見る」と書いた場合に少しおかしなことになる状態を書いてみてください。
解答例
・子どもが一所懸命に図鑑を見ている。
・人混みの中、大声で名前を呼んでみた。2 コメント -
シュウイチ№01 「たり」を書いたら「たりたり文」
2023年4月2日「始まるまで、まだだいぶ時間があるね。」
「じゃ、お茶したりする?」
話し言葉ではよく単独で使われる「たり」ですが、実は並立して使う助動詞です。
書くときには、二回以上繰り返して使います。二回以上と書きましたが、意図的である場合を除き、三回以上繰り返すと、しつこい印象になります。
・ここでは、飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりすることができます。
・休日には、海に行ったり山に行ったりしてアウトドアライフを楽しんでいます。
単独で書かれている文を読んだ時に、違和感を覚えるくらいになりましょう。
並立する語がない場合は、
・ここでは、食べ物を食べられます。
・休日には、海に行きアウトドアライフを楽しんでいます。
でいいのです。
では、みなさん、ためしに「たりたり文」を書いてみましょう。
解答は、コメント欄に記入してください。3 コメント