文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」 徒然なるまま かきまくれっ!

国語について、そして書くことについて、つづっています。

読書感想文指導2017

2017年7月28日

読書感想文の本当の主旨

夏休みの宿題の中でも、いつも最後に残ってしまう「読書感想文」。最近は「読む本も自由、書き方も自由」という、子どもにとっては、何をどうしたらよいかわからない課題になっている学校もあるようです。親もうまく手伝うことができません。

夏休みの最後の最後になって、残暑の中、
「さっさと読んでとっとと書きなさいよ!」
などと不条理なことを叫んだり、親子で喧嘩をしながらひどい精神状態で書いたりするという、「怒濤の読書感想文」になってしまうものです。

読書は大好き。でも、読書感想文は大嫌い!そんな子どももいます。私は、そんなかわいそうな子どもをなくしたいのです。

そもそも、この「読書感想文」は、何の為にあるのでしょう。

一般的に「読書感想文」と言われているものは、毎日新聞、全国学校図書協議会主催の「青少年読書感想文全国コンクール」を指します。他にも、いろいろな団体が主催して、読書のコンクールなど行われていますが、規模的には、このコンクールが一番大きいでしょう。学校で推奨されるのも、このコンクールです。

ここのホームページに、「感想文Q&A」というコーナーがあり、そこに、読書感想文の目的が書いてあります。

Q : 読書感想文は、何のために書くのですか。

A : 書くことによって考えを深められるからです。
読書感想文を書くことを通して思考の世界へ導かれ、
著者が言いたかったことに思いをめぐらせたり、わからなかったことを解決したりできるのです。
ですから読書感想文は「考える読書」ともいわれます。
また、どんなに強く心を動かされても、時がたてばその記憶は薄れてしまいます。
読書感想文は自分自身の記録です。
読み返すことによって、いつでも「感動した自分」に出会うことができるのです。

このように、読書感想文の理想はとても高いものです。
この目的がきちんと達成できたら、読書感想文に取り組んだ子どもにとっても、本当に素晴らしい経験になると思います。もし、小学校の6年間、きちん取り組めたなら、その子にとって、相当な財産となるに違いありません。

ところが現実は、どんなに大変な思いをして書いた読書感想文でも、1クラス、または1学年に何作品かが学校代表となり、その後、都道府県、全国へと優秀作品が上がっていくわけですが、その選考に漏れた段階で、指導は終わります。つまり、最初のクラス選考に漏れてしまうと、添削指導もアドバイスも受けられないわけです。「課題を出すだけ」の状態になってしまいます。大げさな話ですが、クラスや学年に、ものすごく作文の上手な子がいると、そこでもうおしまいです。

本来作文というものは、
「ここはこのように工夫するともっと良くなる」「構成はこうした方が思いを伝えるのに効果的である」
指導者にそのような指導を受けて、初めて、その次の機会で上達するわけです。
作文に限らず、ピアノのレッスン、サッカーや野球の練習などを想像すれば、分かりますよね。

では、読書感想文は書くだけ無駄なのでしょうか。
何もメリットはないのでしょうか。
それならば、テキトーに書いて出せば、もうそれでいいのでしょうか。

その問題の前に、子どもたちは何故書けないのか、考えてみましょう。

2 子どもたちは何故書けないのか

子どもたちは、そもそも読書感想文の書き方を習っていません。学習指導要項では小5、小6の国語で学習することになっています。つまり、小4までの生徒は習っていないのに宿題になっていることになります。担任の先生によっては、夏休みの前に簡単な指導がある場合もあるようです。しかし、本来、読書感想文というものは、完全に個別指導であるべきものであり、
集団でそれを指導しようとすると、「主人公の気持ちになってみましょう」ぐらいしか言えないと思います。あとは、原稿用紙の使い方を指導するくらいでしょうか。

原稿用紙の使い方について正しく学ぶことは確かに大切ですが、その何百倍も何千倍も、読書指導、添削指導の方が大切です。

もし、低学年のころから、学校で、「本はどのように選べばいいのか」「本をどのように読んだらいいのか」「自分の思いをどう書いたらいいのか」ということを、易しいガイドから順を追って指導を始めていれば、かなり良い影響が出ると思われます。

もし、この記事を何らかの形で目にした文科省関係の皆さん、是非、読書感想文指導を低学年からお願いします。少なくとも、夏休みの宿題で出している学校には働きかけて下さい。それまでは、私たちのような作文指導教師、私塾教師が頑張りますので、子どもたちのためにも、早めの対応をお願いします。

私は教育学部の出身なので、友人のほとんどが教員なのですが、この友人たちの話によれば、現実的に、書き方に対し全体的なアドバイスはできても、個別に添削する時間はないようです。工夫してある表現に赤ペンで花丸を付けたり、「ここはもう少し深く考えてみようね」とアドバイスはできても、全員、書き直しをさせて、再提出をさせる、指導したところが直っているか、理解できているかを見極めるという作業は30人、40人いるクラスの全員分を1人の教師がするのは、無理ですよね。同情するほど分かります。

長年作文指導をしていて分かるのですが、作文で、一番大切なのは、「指導を受けて、書き直すこと」です。先ほども書きましたが、作文に限らず、ピアノのレッスン、サッカーや野球の練習と同じです。

例えば、野球のピッチング。
ただただ毎日投げているだけの男の子がいたとします。
まあ、毎日投げているだけで、筋肉は付きますし、その子の観察力が鋭くてプロのピッチャーを見て研究しているのであれば、普通の子よりは上達しているかもしれません。
さて、その男の子が、少年野球チームに入りました。元プロ野球選手でピッチャーをしていたコーチがいるとします。「ひじをこういう角度にして投げればもっと良くなる」とアドバイスをしたとします。

アドバイスを受けた時点では、何も変わりません。何をすれば大きく変わるか分かりますよね。
そうです。「アドバイス通りに投げてみる」ことです。

少年の頭と心と体の中で、電気が走ります。化学反応が起こります。
「ほんとだ!すごい!そうか!そうだったのか!」
少年はアドバイス通りに何度も何度も投げてみます。そして、少年はアドバイス通りに投げられるようになり、次のアドバイスを受けるレベルに到達します。このようにして、この少年は、どんどん上達していきます。

サッカーでも、ピアノでも、そうですね。作文も同じです。書きっぱなしでは、何も変わりません。書いたことには確かに意義があるのですが、それ以上の成果はあまり期待できないのです。

3 その結果、子どもたちはどんな作文を書いているのか

習っていない「読書感想文」をこどもたちが自力で書いたら、いったいどのような作品になるのでしょうか。私が感じているのは次の3つのパターンです。

パターン1「あらすじ作文」
本の内容をところどころ抜き書きしてある作文です。「本文からの抜き書き」は悪いことではありません。ただ、この「あらすじ作文」の特徴は、その抜き書きが、感想文全体に渡り、時系列に書いてある点です。そして、自分の感想は、二の次、とってつけたように書いてある場合が多いです。

例 ももたろう

ももたろうは、ももから生まれました。
ももたろうは、きびだんごを渡して、犬、猿、キジを仲間にしました。
ももたろうは、勇気を出して鬼と戦いました。
ぼくは、すごいなと思いました。

遠足や運動会などの行事のあとに書く作文も同様の傾向が見受けられます。
運動会の場合は、朝起きて、天気がどうだったかという話から始まり、最後に勝ち負けの結果、嬉しかった、くやしかった、という言葉で終わるという特徴があります。
遠足の場合も、朝起きて、天気がどうだったかという話から始まり、最後に目的を達した、例えば山の頂上に行けた時などに、「大変だったけど、空気が美味しくて気分が最高だった」などという話で終わるという特徴があります。
どちらの場合も、作文指導をしないで作文を課題にしている先生の生徒が多いと思われます。

パターン2「本の主題を読み解く作文」
本の主題を書く優等生作文です。本の主題を読み解くことは、素晴らしいことですが、読書は、入試問題ではないので、その必要はありません。読書感想文は、自分の感想文です。答えが違います。
たとえば、ももたろうは、ももたろうが仲間と力を合わせて鬼と戦った話です。
主題は、勇気、協力。

例 ももたろう

犬は、力を出して桃太郎に協力しました。
猿は、知恵を出して桃太郎に協力しました。
キジは、空高く飛び、鬼ヶ島を偵察をし、桃太郎に協力しました。
桃太郎は、三匹の力を集め、そして、勇気を出して、鬼と戦いました。
三匹は、お互いに足りないところを補いあって、
桃太郎は三匹の力を集め、勇気を足して、鬼に勝利したのです。
ぼくは、すごいなと思いました。

まあ、ここまで書けたら十分な気がしないでもありません(笑)
誰の立場で書いているのかが少し不安定ですが、本当に、そう思っているのならこれでまあOKです。「すごいな」のところをもっと深く考察してみれば、もっと良くなるでしょう。でももし、作文を書く子が、なかなかみんなの役に立てないでいたキジをずっと心配していたとしたら、そこに書くべきものが存在します。作者の主題なんて関係ありません。桃太郎の気持ちも二の次で良いでしょう。自分がなぜそこに惹かれるのか、とことん考えると良いと思います。

パターン3「穴埋め式日本全国シンクロ作文」

例 ももたろう

ぼくは、読書感想文を書くのに『桃太郎』を選びました。

どうして、『桃太郎』を選んだかというと、読書感想文の課題図書に選ばれていたからです。
最初はつまらないと思いましたが、だんだんと面白くなってきました。

ぼくが一番感動したのは、ももたろうが鬼を退治するシーンです。
鬼は金棒を振り回していましたが、桃太郎は、日本一のきびだんごを食べているので、
みごと鬼を退治しました。

もし、ぼくが桃太郎だったら、いくらきびだんごを食べたからといって、
金棒を持っている鬼に、細い刀一つで斬りかかっていけないと思います。
桃太郎は勇気があってすごいなと思いました。

この時代に鬼はいないけれど、何か困難があったときに、
ぼくも桃太郎のように勇気を出して戦おうと思いました。

なんとなく、いい感じしませんか? 内容も悪くありません。
そうなんです。これは、大手通信教育の会社などが、どの子でもだいたい書けるようにと、穴埋め式で読書感想文の書き方を指導したものに準じて書いたものです。

本の名前、
本を選んだ理由、
一番感動したシーン、
自分だったらどうするか
そういう部分が空欄になっています。
空欄に、読んだ本や、感動したシーンを書き込んで行くだけで、あら不思議、読書感想文が完成します。

この穴埋め式は、とても良いものです。特に、明日、学校に提出しなくてはいけないのに、まだ書けていないお子さんには、救世主かと思います。もし、このページを、夏休みの最終日に見ているのなら、この方法を推奨します。そしてまた、来年の夏前にこのページに戻ってきてくださいね。

私は、この方法は、本当にとても良いと思っています。ただ、何度もここで書いていますが、この方法には指導がついていないんですね。また、考察をきちんとしているかどうかが重要なのに、この方法だとそこまで踏み込まなくても書けてしまうことが問題です。

感動したシーンを探すことは重要で、それこそが読書感想文を書く意義の入口なんです。そうです。感動したシーンについて、これでもかと考察することこそが大切なのです。

4 「ではどう書いたらいいのか」
5 「何に気をつけたらいいのか」

申し訳ございませんが、ここから先は個人指導になりますので、有料です。何度も書いている通り、読書感想文には、指導者が必要なのです。私も生身の人間なので、3週間で指導できる人数に限界があります。
今年は20人募集します。

昨年度受講生の感想

小6女子
これまで、感想文と言えば、時間に追われて書いた経験ばかりで、推敲などはあまりして来なかったですし、
先生に見ていただくということが、プレッシャーにも励みにも なり、より頑張れたと思います。

小4男子
読書感想文、進め方がとても分かりやすくて、勉強になりました。
夏休み前までは漫画ばかり読んでいた息子ですが、いつの間にか漫画以外も自然に読むようになっています。

小1男子
読書感想文指導がなければ、1年生という甘えもあり、親の方がここまで書かせなかったと思います。
小1でも原稿用紙に書けるということに、まず驚きました。
本人も書くことに対しての自信に繋がったと思います。
本当にありがとうございました。

 

なぜ夏休みに読書感想文を書かせるのか?

さて、なぜ、夏休みに読書感想文の宿題があるか分かりますか? 読書感想文の指導は、時間がかかる指導で、学校ではできないからです。私が考える読書感想文の指導とは、本を選ぶことから始まり、それを読むこと、書く内容について考察すること、実際に書くこと、指導者が添削し、生徒が推敲すること、書き直すこと、今後の課題を示すこと、ここまでで1セットです。学校では、この1セットの指導を、1クラス何十人分も行うことは、時間的に無理なのです。せいぜい「主人公を自分に置きかえて、気持ちを考えてみましょう」「一番印象に残ったところを書きましょう」という程度の指導しかできません。
もちろん、中には、きちんと指導をしてくれる先生もいます。その先生の生徒はラッキーです。十分指導を受けて、今後の学習に役立ててください。
うちは違う、どうすればいいの? というみなさん、この夏、私と一緒に読書感想文に取り組んでみませんか? 読書感想文が宿題ではないという生徒も指導します。実際に、昨年、一昨年と、海外在住の生徒も指導しました。きっと良い経験となるでしょう。

 

読書感想文指導2017要項

受付:7月28日10時(日本時間)受け付け開始
募集:先着20名(毎年受講している方も申し込めます)
指導料
1・2年生 一人3,000円
3・4年生 一人4,000円
5・6年生 一人5,000円

受講方法

「読書感想文の本当の主旨」「子どもたちは何故書けないのか」「実際どんな作文を書いているのか」(ここまで公開情報)
「どう書いたらいいのか」「何に気をつけたらいいのか」(受講生のみに配信)
以上について、メールなどで情報をお伝えします。子どもひとりひとり対策が違いますので、質問があれば個別にお応えします。
2 1の方法にしたがって、感想文を書いてもらいます。
3 2の感想文を私が添削し、コメントを付けて返信します。
4 3の添削指導に従って、書き直してもらいます。
5 更に直すところがあれば直し、仕上げます。

申し込み方法
■内部生(「かきまくれっ!こくご トレーニングペーパー」受講生)
専用サイト内「ゆか先生との連絡帳」を使用し、以下の情報を送って下さい。
生徒氏名
保護者氏名
学年
住所
電話番号
送信元以外のメールアドレス(メールが戻ってきてしまう場合の保険です)
学校の宿題として出ている場合や、外部のコンクールに参加する場合は、要項(文字数、課題図書、締切りなどが載っているもの)を、写真やスキャナで撮り添付して下さい。
申込日までにこれらの資料を揃えられない場合は、その旨を記載して、申し込みを先に済ませて下さい。

■外部生
このページの下にある「問い合せ」ボタンを押してください。
「かきまくれっ!こくご トレーニングペーパー」にチェックをし、必要事項を記入しましたら、「お問い合わせの内容」欄に「読書感想文指導希望」とお書きの上、送信ボタンを押してください。折り返しこちらからご連絡差し上げます。

 

 

注意
1 この指導は、保護者ぐるみの指導です。なぜなら、保護者の助けなくして、子どもそれぞれに合った指導ができないからです。保護者の方には、本を選ぶ段階から参加してもらいます。子どもにぴったり合った本を選べるのは、指導者ではなく、親です。子どもと一緒に本の世界を旅する、子どもの心と向き合うこの体験は、とても素晴らしいものになることでしょう。ですから「最初から最後まで先生にお任せ!」という考えの方は、向いていませんので、ご了承下さい。
2 20名に達した時点で締め切ります。それ以上の指導は、内部生の通常指導に支障を来す可能性がありますので、お断りします。
3 国語指導者として、読書感想文について研究中です。住んでいる場所、学校名、名前を伏せた状態で、研究材料にします。何年生で、こういう指導で、こういう書き方ができるようになったというように、書籍やブログなどで資料として使用する予定です。もし、その状態での使用もNGの場合は、申し込み時にお知らせ下さい。

 

イラスト「子供と動物のイラスト屋さん」

 

 

お問い合わせ